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第29回茨城生殖臨床懇話会

不妊治療中の私の選択

不妊は欠陥?!劣等感を抱く時、周囲との関係の変化、仲間とつながることで得られる効果などについてお話しさせていただきました。

開催日:2015年12月6日(日)

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担当者の感想

茨城県産婦人科医会様では毎年2回、一般の方が対象の「市民公開講座」と、医療関係者が対象の「生殖臨床懇話会」を開催されています。

午前中の「市民公開講座」では、最初に私から「不妊治療中の私の選択」と題して、不妊であることで生じた劣等感、自己肯定感の低下、不妊治療の期待と喪失、周囲との関係を体験談として話しました。当事者として治療経過を振り返り、夫婦のコミュニケーションの取り方のコツと、同じ経験をした仲間とつながることが私を孤独から救ったことをお伝えさせていただきました。
次に、ウィメンズクリニック神野 院長 神野正雄先生から「不妊治療・健康・アンチエイジング・美肌は表裏一体:最先端の不妊治療から」というタイトルのご講演。母体が健康でなければエネルギーが生殖にまわらず不妊が引き起こされてしまうという生き物本来の特徴と、生活習慣の具体的な見直し重要ポイントから、不妊と不健康の密接な関係をわかりやすくお話しになりました。会場からは、いつごろ不妊治療を始めるべきかという質問があり、神野先生は、ご夫婦がどのくらいお子さんを望まれているかによること、平均妊娠率を目安として37歳を過ぎると時間は貴重であることをご回答されていました。短い時間ですが神野先生の言葉の中に優しさを感じました。
最後に、慶應義塾大学医学部 産婦人科学教室婦人科教授 青木大輔先生から「子宮頸がんについての最近の話題—子宮頸がん検診と不妊—」というタイトルのご講演。子宮頸がんは30、40代に増加傾向にあり、これは不妊治療対象者の年齢と重なるため、不妊治療中から自身の体の管理をしっかりとすることでよりよい妊娠出産があるというお話でした。妊娠してから病気に気づき悲しい結末を迎えないための、不妊当事者への温かいメッセージでした。

午後の「生殖臨床懇話会」では、8名の不妊専門医療者の方々からの多方面から見た最新の医療情報交換がありました。私からは、当事者に必要な支援として、仲間とつながるグループカウンセリングを体感することの効果、意味についてお話をしました。

今回初めて参加させていただきましたが、多くの方が当事者のためにさまざまな援助を考え、情報交換をされている場に立ち会わせていただき、患者のひとりとして胸の熱くなる思いでした。このような場で当事者が発言できる機会を与えてくださいましたことに深くお礼申し上げます。
お声かけくださった小塙医院理事長 小塙清先生はじめ、ご準備に関わられた皆さま、ご参加くださいました皆さまに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
(担当:池田 麻里奈/Fine公認ピア・カウンセラー)

Fine (2016年10月24日)

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