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2005年12月1日 日本看護協会 神戸研修センターにて、不妊看護の勉強をしていらっしゃる方を対象として、昨年に引き続きFineのメンバーが、患者の気持ちをお話させていただきました。Fineの代表として講義してきてくれた、サポートメンバーのmchiさんとさーちゃんのレポートです。
■mchiさん
「日本看護協会 研修センター」 で看護師さんたちに講義をさせていただくことになり、さーちゃんとともに無事(?)大役を果たしてきました。Fine会員のみなさんに協力していただいたお陰でなんとか質疑応答にも対応できました。
「ひとりひとり受け止め方が違うので、同じ言葉でも勇気付けられる人もいれば、傷つく人もいるのです。難しいことだとは思いますが、患者ひとりひとりの気持ちを汲み取ってもらいたい」
というようなことをお話してきました。看護師さんたちもそのあたりはある程度分かっていらっしゃったようですが、やはりその見極めは難しいようです。今回、研修に参加されていたのは平均年齢も高くベテランの看護師さんが多くて、助産師の資格を持った方もいらっしゃいました。
「流産をして傷ついている患者さんに何もしてあげられないんだけど、何かしてあげたい。何がしてあげられますか?」 という質問がありました。私は 「ただ泣かせてもらえること」
とお答えしました。この質問をされた看護師さんだけでなく、研修に参加されているすべての看護師さんが 「何かをしてあげたい」 と思ってくださっていることがとても嬉しかったです。たとえ何もしてもらえなくても、看護師さんが私たち患者の気持ちに寄り添おうとしてくださるなら、それが自然と態度となって患者に伝わってくるのではないでしょうか?
研修生は今回13名でしたが、10年続ければ100人以上です。それぞれ各病院にもどって5人の後輩の方に伝えてくだされば、500人600人となるでしょう。現在はまだまだすべての病院にこんな優しい看護師さんばかりが揃っているわけではないでしょうが、お互いが活動を続けることでより良い環境が整っていくのだと思います。
最後になりましたが一緒に行ってもらったさーちゃん!どうもお疲れさまでした。そして貴重な体験談をありがとう!また、お会いできる機会があれば嬉しいですね。
■さーちゃん
mchiさん、本当にお世話になりました。
今回、不妊患者に対する対応、看護を学ぼうとされている看護師さんとお話ができたことは本当に私にとって貴重な体験でした。もっともっと伝えたいこと、話したいことあったはずなのに、半分も話せなかったかもしれない。真剣な面持ちの看護師さんの前ではすっかり緊張してしまいました。
私は看護師さんたちに患者それぞれの環境、思い、そして治療の状況は違うし、その時その時での心の状態は違う。それに応じた対応をして欲しい。そして、気持ちに寄り添う、気持ちを聞こうという思いを持って欲しい。それはきっと伝わる。ということを話しました。でも、それって言われた相手にとっては難しいことだと感じました。看護師さんに 「どういうふうに対応すればいいのか?対応を感じ取るヒントは?」 などと聞かれた時には明快な答えをすることができませんでした。
また、自分の過去の思い、治療中の思い、そして治療をあきらめる思いを客観的に冷静に話すことが難しいということを感じました。まだまだ、自分の中で整理し過去のことと処理できていないことを感じさせられました。自然に涙だけが出てきました。不妊で傷ついた心は深いものなんだろうなと感じました。そういう心の少しでも力に私のちっぽけな小さい力がなれたらいいなと思いました。
今回のうれしかったこと、看護の部門で不妊に対することをこれほど真剣に学ぼうとし、力を注ごうとしている人たちと出会えたこと。そして学んだ人たちが日本中に増えていくということ。きっとmchiさんの言う通り、将来はよりよい環境が整っていくと思います。
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