■Fine 会の紹介

はじめまして。
私たちは、「NPO法人 Fine(ファイン)〜現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会〜」といい、不妊体験者による、不妊体験者のための、セルフサポートグループです。

何をする会なの?
と聞かれると、ひとことで表現するのが難しくて困るのですが、子どもを授からないことでつらく悲しい思いを味わったことのある仲間たちの、少しでも救いになるような、いろんな活動をしたいと思っています。

私たちはインターネット・ホームページ(ウェブサイト)を運営し、パスワードに保護された会員限定のページを設けて、会員同士が安心して悩みを語り合い、情報交換ができる場所を提供します。
サイトでは医療情報をはじめとするさまざまな情報を提供するのはもちろん、個人的な治療の質問に不妊治療専門医が答えてくれるドクターQ&Aコーナーも設けています。
またサイトにおける活動だけではなく、第一線の専門家(医師・看護師・臨床心理士など)を招いての講演会やシンポジウム、会員同士のコミュニケーションをはかる親睦会も予定しています。
さらに、カウンセリングを重視し、専門家による電話カウンセリングや、体験者によるピアカウンセラーの育成なども予定しています。

また、私たちは患者と医療機関との橋渡しになれればと考えています。
情報や技術に対して受け身でいるだけではなく、医療提供側に対して、患者としての要求を積極的に伝えていきたいと思っています。ちょっとむずかしくカタイ言葉で表現するなら、患者の地位向上をめざしていきます。それと同時に私たち患者側も、もっと意識や知識を高めていき、自分の治療のことは自分できちんと理解できる、“自立した患者”となることをめざします。

私たちのサポートは治療真っ最中の人に対してだけではありません。
もしかしたら将来、子どもが持てないかもしれないと深刻に悩んでいる未婚女性や、治療によって子どもを授かったけれど育児で深く悩む方、実子以外の選択も考えに入れている方、もう治療はあきらめたんだけれど、やっぱり割り切れなくて……という方など、幅広くサポートするつもりです。
とにかく人生において、ほんのちょっとでも「子どもを授からない」ことをつらく感じたことのある、すべての方の居場所をつくりたいと思っています。

スタッフは、全員が不妊の体験者です。
だから不妊がどれだけつらいものか、身をもって知っています。メンバーの中には、現在も治療をがんばっている人はもちろん、治療の末に妊娠・出産した人、治療をやめて夫婦二人の生活を選んだ人、養子縁組をした人、治療を中断中の人、また、医療機関に頼らずに体力づくりをしながら授かるのを待つ人など、さまざまな人がいます。
みんなの思いはひとつです。
今、どこかで悩んでいる人がいたら、そのつらさを少しでもやわらげることができないか。ひとりぼっちで泣いている人がいたら、手を差しのべられないか。孤独にさいなまれている人がいたら、仲間がいることを伝え、その仲間同士の輪をもっと全国中に広げられないか。
「そのために、私たちに何ができるかな?」というところから、この活動がスタートしました。

もしもあなたが不妊でつらい思いをしているとしたら……
ここには、たくさんの仲間がいます。
ぜひ、いつでもここにいらしてください。私たちは、あなたを歓迎します。


2004年1月