Fine祭り2011  ひとりじゃないよ!不妊
~ 知っておきたい、男女のカラダ&こころの話 ~
講演要旨
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講演1 ★「男性不妊と言われたら~現代男性不妊事情~」
医療法人社団 暁慶会 はらメディカルクリニック

  院長   原 利夫氏


今なぜ精子が問題なのか?
昭和初期の頃、子どもを授からないご夫婦の女性は石女(うまずめ)と呼ばれその責任は100%女性とされていました。
しかし、現在では不妊原因の約50%は男性側の要因であり、女性側の不妊原因がひとつずつ解明され診断・治療が進んでいるのに対し、男性側の不妊原因は解明も治療も遅れています。
男性不妊の問題は、(1)全世界的規模で起きている精子数減少問題、(2)産生される精子の質の劣化、(3)ますます増加するセックスレス、の3点にあります。そしてこれらの問題は、近年の科学の進歩より早く問題化し、未だ治療方法が追いついて行かないのが現実であります。
私たち日本民族は古来より不妊傾向にあったようで民話や童話の中に子供のいない老夫婦がしばしば登場します。例えば、「もも太郎」や「竹取物語」など子宝に恵まれなかった夫婦に自然からの授かりものとしての赤ちゃんがやってきます。そこで、今回のセミナーでは、まず、日本男性特有の「性」の問題点を探るところから始めたいと思います。不妊検査・治療はご夫婦で行うものですが、そこには夫婦間(男女間)の温度差があります。女性の勘違いや思い違い、気がつかない点、男性のもろさ、なぜセックスレスが増加しているのか、などを当院で行ったアンケートから解明してゆきます。
民族の生殖能力や子作りの能力は、その民族のセックスの回数に関係します。毎年、世界的な規模で行われる各国のセックス回数の調査報告によると、第1位のギリシャ人のセックス回数は年間138回であるのに対し、日本人は年間45回と報告されています。精子の質を良く保つためには、週に2回以上の射精が必要と考えられています。射精チャンスの減少が妊娠の可能性を下げるばかりでなく、精子の質を劣化させているという事はほとんど知られていません。むしろ一部の男性の間では精子は貯めておいたほうが良いというような誤った知識もあり、精子の作られる過程、精子の形の評価方法や運動率の解釈の説明、精子の工場である睾丸の構造など精子産生について医学的に詳しい説明をいたします。また、精子産生に悪影響を与える精索静脈瘤の自宅で出来る簡単な診察方法なども紹介いたします。
健全なオスとして産生する精子と精液について科学的な知識を身につけた後、実践編として、今回は自宅でできる精子強化法についてデータとともに示し、、どのようにすれば睾丸の中で健全な精子を大量に産生出来るかという具体的な方法を勉強をします。さらには、精子と卵子の出会い、受精がどのようなものであるか、などの正しい知識を身につけていただきます。しかし、自己努力だけでは解決できない場合には医学的サポートが必要になります。
新しい人工授精の方法や体外受精、顕微授精の最新情報・妊娠率などの方法を示すとともに、最近増加傾向にあるLOH症候群(男性更年期障害)の早期発見、治療も説明いたします。


   
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