‘夫婦のささえあい’アンケート結果報告

Fineと広島HARTクリニックの共同調査‘夫婦のささえあい’アンケート協力者大募集!! にご協力いただき、 ありがとうございました。
本調査の結果は2006年3月20日に行なわれた 「第3回日本生殖医療カウンセリング学会」 にて、広島HARTクリニックカウンセラー(当時) 中田史子が 『不妊症治療中の夫婦間の支えあいの意識に関する調査 −カウンセラーは夫へどうアプローチするか−』 と題して発表させていただきました。ご報告時期より遅くなりましたことをお詫びするとともに、ご報告をもって御礼にかえさせていただきます。本調査結果の無断転載・転用は固く禁じておりますので、画像のダウンロードをなさらないようご理解賜りますようお願い申し上げます。

1.調査概要(期間・方法・目的など)

調査趣旨にご賛同いただき、ご協力いただきましたウェブサイト運営者の皆さま方に感謝申し上げます。


2.結果(1)(2) 夫からの 「ささえ」 の必要性について

【結果1について】
★治療開始前に比べて妻は夫からの 「ささえ」 は必要と感じるか、夫は自分が妻を 「ささえなければ」 と感じるかについて尋ねた結果です。
★夫・妻ともに 「夫のささえ」 の必要性を感じておられる方が多いのですが、妻よりも夫のほうが若干、必要性を強く感じておられるようです。

【結果2について】
★結果1の設問で 『妻をささえる必要性』 を感じておられる93%の夫に対し、その理由を尋ねた結果です。
★53%(50人)の夫は、 『自分も妻と同じ気持ちだから』 という理由でした。
★32%(31人)の夫は、 『妻の様子を見て 「何とかしなければ」 と思ったから』 という理由でした。
★8%(8人)の夫は、 『妻が自分を頼ってくるから』 という理由でした。



3.結果(3)(4) 夫の 「サポート」 内容について

【結果3について】
★夫へは治療中に実際に妻に対して行なうサポートの内容について、妻へは治療中に夫から受けているサポートの内容について尋ね、さらに サポートの有効性について得点化した結果です。
★夫・妻ともに 『話を聞く』 というサポートを行ない/受けており、 『話を聞く』 サポートの有効性は高いようです。

【結果4について】
★結果3の妻へのサポートを行なう決め手について夫に尋ねた結果です。
★どのサポートも 『妻が自分を頼りにしてくれているから』 と夫には認識されているようです。



2.結果(5)(6) 妻へのサポートに困ることがあるか

【結果5について】
★夫に 「妻へのサポートに困ることがあるか」 について尋ねた結果です。
★44%(46人)の夫は困った経験があり、55%(57人)は困ったことがないと回答しました。

【結果6について】
★結果5の理由について尋ねた結果です。
★「困らない」55%の夫はその理由を 『妻から何の不満も伝えられないから、自分のサポートは十分』 だからと感じている。
★「困る」 44%の夫はその理由を 『妻の気持ちは理解し、自分なりにサポートしているが、妻から不満であると言われるから』 と感じている。



2.結果(7) 夫以外のサポートについて

【結果7について】
★夫からのサポート以外のサポートについて、夫・妻それぞれに尋ねた結果です。
★71%の妻は 「インターネットを活用する」 と回答した。これは調査自体がウェブサイトを活用して募集したことも 、少なからず影響したと考えられます。
★「その他」 と回答した夫は51%で、具体的には 「自分で考え解決する」 「困っていない」 「妻と話をする」 「誰にも相談しない」 などでした。



2.結果(8) カウンセラーからの支援の必要性

【結果8について】
★カウンセラーからの支援を必要とされるかについてお尋ねした結果です。
★カウンセラーからの支援を、73%の夫が 『不必要』 と回答したのに対し、妻は70%が支援を 『必要』 と回答しています。



2.結果(9)(10) について

【結果9について】
★結果8の設問でカウンセラーからのサポートが必要であると回答した夫に、どのようなサポートを臨んでいるのかについてお尋ねした結果です。
★夫はカウンセラーから 「治療中の妻の気持ちの変化について教えてほしい」 といった心理学的情報を得たいと思っている。
★「その他」 の内容について、夫は自分で考えて何とかしようとする傾向がみられる。

【結果10について】
★結果8の設問でカウンセラーからのサポートが必要であると回答した妻に、どのようなサポートを臨んでいるのかについてお尋ねした結果です。
★妻は 「自分が落ち着くためのサポート」 「自分がカウンセリングを受けたい」 といった自分自身を優先する傾向があり、夫へのサポートについてあまり関心を持たない傾向がみられる。


3.考察・まとめ 〜カウンセラーの立場から〜

◎妻を支えたい/支えようとする夫を、カウンセラーは心理学的な情報提供により、間接的にサポートすることが可能である。
 →院内掲示・配布物・ウェブサイトなどを通して情報提供をする→カウンセリングにつながる
◎夫婦はいつも 「あうん」 の呼吸で分かり合える存在ではない。夫婦コミュニケーションのスキルを磨く場・学ぶ場を提供することも視野に入れる必要性がある。
◎カウンセリングを通して、実際的にご夫婦を支えることが可能であることを夫にも知らせる方法を検討する。

 文    責 : 元広島HARTクリニック・カウンセラー中田史子


  NPO法人Fine/広島HARTクリニック  共同調査


 


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