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※ 青色の部分は、カモミールクラブの皆さんの掲示板の書き込みをご本人の許可をいただき抜粋しています。
2005年7月23日、岐阜県にある操(みさお)レディスホスピタルのカモミールクラブ講演会にお招きいただきました。今回私にお声を掛けてくださったのは、エンブリオロジスト(胚培養士)で不妊コーディネーターの後藤淳子先生。最初にいただいたメールの「私は不妊患者さんに、もっと自分に自信を持ってほしいたいと思っています。そのお手伝いが出来るよう、ひとりひとりとお話させてもらっています」という言葉に、胸を打たれました。けれども地域性もあってか、まだまだマイナーな「不妊当事者」を取り巻く環境は、決してやさしくないとのこと。私にいったい何が出来るかはわかりませんが、全国の仲間に会えるのは嬉しいことです。私が話をすることで、何か少しでも景気づけの(?!)お手伝いができるのならと、自信はないながらもともかく、夏真っ盛りの岐阜県にお邪魔することにしました。
こちらの病院は産婦人科で、ウェブサイトには診療案内や教室案内などたくさんのコーナーがあります。その中にカモミールクラブという不妊治療専門のコーナーがあり、そこには掲示板が設置されていました。医療施設で掲示板を設けているところは決して多くありません。メンテナンスが大変で、管理の手間がかかるからです。でも患者の立場からすると、自分の通っている病院に自由に書き込みが出来る掲示板があるのは、とても心強いもの。そういう場所があるっていいなぁと思いつつ、私はこの講演が決定してから、この掲示板をちょくちょく拝見していました。
そこには残念ながら多くの参加者がいるというわけではなく、おもに数名の方が交流しているという雰囲気でした。でもその会話がとても明るくあたたかく、きっとこの掲示板をROM(読むだけで、書き込みはしないこと)している人はたくさんいるだろうなぁ・・・なんて想像していました。そこである日、私の講演会の話題を発見して、(ひえ〜っ)と、びっくり。もちろん講演があるのだから告知もしているだろうとは思っていましたが、掲示板の会話の中で垣間見る自分の話題って、ミョーに・・・リアルだったんですね。なんだか急に緊張してきました。けれどその反面で、私の話を楽しみにしてくれている人がいるんだと思うと、とってもありがたく、嬉しくなってきました。
インターネットの楽しみの一つは、こうやって掲示板やメールで知り合った、まだ見ぬ人と初めて対面すること! それはまるで、初恋の人に再会する気分・・・とはちょっと違うかな? でもとにかく、わくわくウキウキ、そしてちょっぴりドキドキって感じです。
そんなときめきを(?)胸に秘め、ホスピタルへ向かいました。
講演会の模様は、MIKIさんが掲示板にレポートしてくれています。
==========<講演会レポート MIKI>===========
先日は素敵な時間をありがとうございました。沢山元気を戴きました^^
また、通っていたのがこのホスピタルで本当に良かったと思いました。
先生方をはじめスタッフの皆様、ありがとうございました。
以下、つたないながらも簡単なレポートです。
場所は1階のカフェが変更になり2階のスタジオへ。
入り口でFineの案内を戴きました。
参加人数は30名程(?)20〜40代と様々です。
また、御夫婦での参加も6〜7組程いらっしゃいました。不妊治療はまず夫婦ありきですものね。
スクリーンにプロジェクターやポインターも用意されて、本格的でした。
13:30〜 最初は後藤先生からの御挨拶
そして松本さんへバトンタッチ
2時間程ハキハキと通る声で講演して下さいました。
Fineの設立趣旨や会の紹介、活動内容、活動報告、そして松本さん御自身の体験談へ。。
結婚前の婦人科通いから結婚後の治療中に負ったさまざまな身体的負担など。
事前に御本で読んではいたけれど、実際にお聞きして涙しました。
他の皆さんも聞き入っていたように思えました。
でも、明るく時には笑いながら経験を話して下さいました。
プライベートかつデリケートな事で、話せるようになるまで、随分時間が必要だったのではないかとお察しします。
講演の途中で、体外&顕微授精経験者はいらっしゃいますか? 治療を止めたいと思ったことはありますか? など、挙手の場面もありました。
首相官邸でアンケートをとっている話や、不妊治療助成金、海外での不妊治療交流会を知って見た日本の現状など広い視野でいろいろお話して下さいました。
途中10分間の休憩では、ホスピタルから冷たいお茶パックを戴きました^^
質問タイムでは、転院する際の個人情報のやりとりについてもう少し簡単に出来たら・・・といった提案も出されました。
お話を伺えてとても貴重で充実した体験になりました。
希望を胸に楽しみながらもう少し治療を続ける予定ですが、将来、治療を止める(諦める)時が来ても、自分に自信を持ち、胸を張って生き生きと過ごしたいなぁと思いました。(ものすっごい理想論ですが)
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本当に、とてもアットホームな講演会でした。会場はホスピタルのスタジオ。ふだんはこちらでヨガなどを行なうこともあるそうです。そのスタジオの中に所狭しとずらっと並べられたイスを見つつ、(私の話を聞くためにわざわざいらしてくださる方がこんなにいるのかしら?)とチト不安になりました。イスをひそかに減らしちゃおうかしらなんて、内心ちょっと思ったりもして。けれども時間になるとぱらぱらと、参加者のみなさんが集まってきてくれました。(ああ、よかったぁ〜)と、ほっとしたと同時に、驚いたのはカップルでの参加率が高かったこと。(夫婦で講演会に参加してくれる人が、こんなにいるんだ〜!)と思うと、感慨深いものがありました。以前は「不妊=女性だけが病院へ行く=女性だけが担う」というイメージがありましたが、いやいやどうして、時代は変わっているんだなぁと実感。なんだかとっても嬉しくて、思わずニコニコしてしまいました。
夢中であれこれとお話し、休憩や質疑応答を経て、約2時間の講演会は無事終了。あんなに楽しみにしていたのに、あっけないほどあっという間に終わってしまいました。本当は、終わってからゆっくり参加者の方とお話したかったのですが、電車の時間の都合で、そうそうにホスピタルを失礼しなくてはなりません。なんとなく後ろ髪を引かれる思いで電車に乗った私でした。けれど、その日のうちにとても嬉しいことがあったのです。
あの掲示板に、講演会に参加してくれた方が数名、書き込みをしてくれていたんです!
========<ファイン From : めろん>=============
はじめてカキコします。 めろんと申します。
本日、ファインの松本さんのお話を聞かせて頂き、非常に共感致しました。
会場に居る皆さんとは残念ながら、お話が出来ませんでしたが、皆さんの気持ちが「私と同じなんだなあ・・」と伝わってくるところもありました。
涙が出るところが同じなんだもん・・
今日の講習に参加出来て本当に良かったと思っています。
主催してくださった先生方々、そしてファインの松本さんに感謝です。
=======<ファイン2 From : ばーど>============
私もはじめて投稿させていただきます。
今日の松本さんの講習会にでてほんとうによかったな〜って思っています。
今でもお話を思い出すと涙があふれてしまいそうです。
いつか松本さんのように自分の体験したことやつらかった気持ちを素直に自然に人に話せる気がしてきました。
松本さんにはいろんな勇気をいただきました。本当にありがとうございます。
そしてきっかけをつくっていただいた後藤先生にも感謝です。ありがとうございました。
=========< 久しぶり♪ From : もん吉>==========
久しぶりに名前を変えて登場!
去年の今ぐらいはここにちょくちょく登場していましたが・・・なぜかついつい遠のいていました。
Fineの松本さんのお話を聞いて、共感する所が沢山あり、自分もこんな風に勇気を与えられる人間になりたいと思いました。
私はメールのやり取りより直接顔を見て話したいタイプの昔人間で出来ればカモミールやタンポポ会がまた再開する事を願っています。
現在、操で体外授精に挑戦中! 私は出来るだけ周りに不妊治療をしていることを話します。別に隠す必要ないかな? って思うから・・・・以外と話してしまえば楽かな? って・・・・もっと社会に理解してほしいもんね! 松本さんみたいになるのは難しいけど、自分の周りぐらいから考え方が変わっていってくれたらいいな〜って思います。
風邪をひいて病院に通えるみたいに堂々と治療が出来るようになっていったらいいですよね!!!
========<掲示板の改正 From : pu〜>============
(掲示板が携帯でも使用できるというのは)ありがたい話です・・・松本さんのお話をお聞きして胸が熱くなり、強がってる自分に気づき涙が出そうでした。気の強い私に手こづっているのでは無いかと心配してます。後藤先生・・・私にとっても、とても素敵な会でした。有難うございました。興奮して帰り、この気持ちを伝えられない寂しさ・・・すぐPCを買いに行こうかと思ったよ・・・ 今、仕事場です。また暇な日時にこの場にきますがいつになることやらですわ〜
=========<すご〜い From : きょん>===========
ちょっと覗いていなかったら、すご〜い書き込みが・・・楽しいおしゃべり広場になりましたね! これからが楽しみですね~~
MIKIさん、詳しい講演会レポートありがとう! 様子が目に浮かびました。
今回、私は母が足を骨折してここのところやけにバタバタとして疲れていたのと、仕事の調整ができなかったのとで行けませんでした。
松本さんにBBS見られていたとは・・・ホントに嬉し恥かしですね。
松本さん、お会いできなくて残念でした。
現在、私はFineの掲示板でお世話になっています。
いろいろアドバイス頂いて助けられてます。今後ともよろしくお願いします~~
=========<松本様 From : 後藤>==============
今日はほんとにありがとうございました。不妊治療は終わっても不妊は終わらないという言葉は印象的でした。二人目不妊の方にはもしかしたらそれに近いものがあるのかもしれません。二人目不妊のおしゃべり会を開いて欲しいと頼まれています。いつかまた不妊は終わらないというテーマでお話し合いしたいなと思います。
私は不妊は自分探しの期間ではないかと今になって思っています。でもそれを知るのにすごく時間がかかりますが、、、、、自分に自信が持てないから多くをマイナスに考えてしまう。でもそんな時間があったから今があると、、、、、。松本さんも、もし不妊を経験しなかったら今のお仕事されていませんものね。
その人なりの歩幅で自分と向き合ってもらえるようにサポートできればと思っています。でも私の力不足でおしゃべり会もうまくまわっていません。またいろいろアドバイスいただければ幸いです。これからもよろしくお願いいたします。
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う〜ん、感動!
たくさんのメッセージをいただいて、とても心が温まりました。
そもそも講演の最中も、皆さん私の話をすごく真剣に聞いてくれて、一緒に笑って、一緒に悲しんでくれたように感じていました。こういうことって、なかなかないんじゃないかと思います。会場全体に一体感のようなもの感じられ、それで私はとっても話しやすくて、それがとてもありがたかったんです。
だから、みんなが書いてくれた「ありがとう」は、本当は私の方こそ「ありがとう」なのに・・・。そう思いつつ、感謝をこめて、一つ一つのメッセージに返信してゆきました。
Fineは「現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会」です。私たちは、現状や経緯にかかわらず、人生の中で一度でも子どもが欲しくて泣いたことがある人はみんな同じ仲間だと思っています。
そして、こんな風にたまにたくさんの仲間たちと会えると、やっぱり嬉しく、ありがたいなぁとしみじみ思うのです。
私たちはFineを通して、全国にいる不妊当事者〜仲間たち〜のために活動を行なっている。もちろんそれがそもそもの発端で、ふだんからそう思ってがんばってはいるのですが、時にあまりにも活動に忙殺されそうになると、ふっと一瞬考えてしまうことがあります。
「あれ? いったい何のためにがんばってるんだっけ?」
「どうして私、こんなに忙しいことしてるんだっけ?」
スタッフやサポメン(サポートメンバー)のみんなも、きっとそうだと思うのです。けれど、そんなとき全国の仲間からの応援の声に出会うと、初心にかえることができます。
私たちは、たくさんの仲間の声を集めてどこかに届けたいと思ったのだ。
私たちは、がんばって治療しているたくさんの仲間たち〜不妊治療者〜の環境を少しでもよくしたいと願い、活動しているのだ。
そして私たちは、治療の有無にかかわらず、不妊体験者の環境を少しでもよくしたくて、こんなにがんばっている。
そうそう、そうだった。そうだったんだっけ。
よーし、もうちょっと、がんばってみるか!
仲間たちの言葉や笑顔は、そんな、明日への力につながるのです。
本当に、ありがとう。
さーて、今日も一日、がんばりましょっ。
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