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カウンセリング事業

不妊ピア・カウンセラー養成講座(eラーニング)『スクーリング1』2023年

「たくさんいろいろな演習ができたのでとても参考になりました」

(受講生の感想より)

第十八期不妊ピア・カウンセラー養成講座の『スクーリング1』を開催しました

開催日:2023年1月28日(土)〜29日(日)
URL:https://j-fine.jp/e-pia/


担当者の感想

第十八期不妊ピア・カウンセラー養成講座の『スクーリング1』を、1月28日(土)〜29日(日)に開催しました。寒波の到来で、地方在住の受講生の中には前乗りされた方もいましたが、全員が無事に時間通り集合して、初日を迎えることができました。

1日目は、まずFine理事長の野曽原より、「Fineの設立趣旨や活動内容」と「ピア・カウンセラーとして大切にしてほしいこと」についてお話しし、運営事務局より「オリエンテーション」として、受講についての諸注意、認定のための課題等について説明しました。そして、「先輩ピア・カウンセラーによる体験談」では、第十六期卒業生の鐘江さんより、不妊治療体験とともに、養成講座に申し込んだきっかけ、受講中大変だったこと、受講した感想についてお話ししました。体験談発表を初めて聞いたという方もいらっしゃいましたが、皆さん真剣に耳を傾ける様子が見られました。

続いて、山本美幸先生の講義です。ここまでは聞くことが中心でしたが、講義の初めから椅子を輪にしてグループワークが開始されました。自己紹介をした後、受講にあたって今感じていることを発表し、それを聞いた感想を話し合いました。最初は、皆さん緊張気味でしたが、自分の言葉で感じたことを話すことで、だんだんと緊張が少しずつほぐれていった様子でした。
その後、「傾聴」についての講義がありました。「聞く」「聴く」「訊く」の違いを学び、ワークを通じてノンバーバルな「傾聴」の体験をしました。スクーリングではワークを中心としており、実際にやってみて気づいたことをその場で全員が発表することで、話し手・受け手両方の感想から、深い気づきが得られます。さまざまなケースを通して、どうしたらより相手が安心して話ができるのか、自分も話を聴けるのかについて、聴く場所、視線、うなずきの重要性など、皆さん多くの気づきを得たのではないかと思います。

2日目は午前中からスタートしました。
初めは、堀田敬子先生の講義です。堀田先生は、この講座の卒業生で、不妊ピア・カウンセラーとしての活動から研鑽と学びを重ね、公認心理師の資格を取得し、今は心理の専門家として活躍されており、今期が初めての講義となります。
1コマ目は、「グループカウンセリング演習」です。グループカウンセリングについての説明の後に、セルフヘルプグループの演習を行ないました。まずは堀田先生がファシリテーターを務め、グループカウンセリングのイメージを体感しました。その後は受講生がファシリテーターや参加者となりグループカウンセリングを行ない、感想をシェアし合いました。ファシリテーターとして、参加者として、見学者としての視点で、よかったこと、気になったこと、疑問など活発な意見が交わされていました。受講生からは「気配りや目配りの大切さがわかった」「聴いてもらえる安心感があった」などの感想が聞かれました。その後、堀田先生からグループカウンセリングやファシリテーターをする上でのポイントの具体的な説明があり、皆さん大きく頷きながら、熱心に聞き入っていました。
2コマ目の「自己を見つめるワーク」では、フォーカシングという心理学の技法を使って、頭には画が浮かんでいるけれど言葉にはできないもやっとしたイメージ(フェルトセンス)を漢字で表すという「漢字フォーカシング」というワークを行ないました。「自己を見つめる」ということは、カウンセリングにおいて必要なことですが、とても難しいものです。そこで、他の人から見た自分のイメージを知るというワークを行ないました。グループに分かれて、自分以外のメンバーのイメージを漢字で表わしていきました。その後どうしてこの漢字にしたのかを発表しましたが「客観的な自分のイメージがわかってよかった」などの感想が受講生から聞かれました。ピア(当事者)としての視点と専門家としての視点を織り交ぜての講義はとてもわかりやすかったのではないかと思います。

続いて、平山史朗先生の講義です。先生の体調不良のため残念ながらオンラインでの講義となりました。会場では山本先生にサポートに入っていただきました。
まずこの2日間で学んだ傾聴の基本の「聞く力」についての講義を行なっていただきました。その後、3人1組となり「イヌバラ法」という演習を行ないました。これは、クライエント役が動物や置物や食べ物などの人以外のものになりきって、気持ちを話します。カウンセラー役は、ただその気持ちを受け止めます。受講生は、最初は少し戸惑っていたものの「家で飼っている熱帯魚」「うちの猫」などになりきって、悩みや気持ちを語っていました。ロールプレイの後には、クライエントやカウンセラー、その2人を見ていた立場から感想を共有し合いました。
最後に、質疑応答ではスクーリング1で学んだ中で、またそれ以外の質問にも平山先生が一つひとつ丁寧に答えてくださいました。遠慮がちに質問する受講生にも「それは大切なことです」と肯定し、かみ砕いて説明くださり、皆さん熱心に耳を傾けていました。

初日には緊張していた受講生も、2日目には休憩時間に談笑する姿も見られました。同期で切磋琢磨しながら不妊ピア・カウンセラーとして認定されるまで無事進んでいけることを願っています。
スクーリング2は2023年3月11日(土)〜12日(日)を予定しています。演習が今よりも多く含まれる内容になっていますので、eラーニングでしっかり事前学習し、スクーリングの準備をしていただきたいと思っています。
(担当:鐘江・岡田/ピア・カウンセラー養成講座運営事務局)

スクーリング1を受講した方の感想 (一部抜粋)
  • グループワークや演習で参加者の方たちとお話ししたりする時間がとてもよかったです。最初はどんな方がいるのかな、どんな感じなのかな、とドキドキしていましたがよい雰囲気でとても安心しました。
  • 丁寧に指導いただいたおかげで理解が深まりました。
  • 聞く難しさを感じました。もっと勉強したい!と感じました。
  • 漢字フォーカシングを体験できてよかったです。自分がどう見られているか、客観的にわかりました。グループワークもテーマの重要性、ファシリテーターの難しさも体験できてよかったです。
  • 大切なことをわかりやすく教えていただけました。実際にカウンセリングをされている回数が多いので、具体的で大変参考になりました。

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