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カウンセリング事業

不妊ピア・カウンセラー養成講座(eラーニング)『スクーリング3』2021年

「先生方の考察と解釈が、想像していなかった点からであったり、一つひとつの言葉の裏や奥まで考えられた受け答えであったりしたため、カウンセリングの難しさを更に感じました」

(受講生の感想)

第十六期不妊ピア・カウンセラー養成講座の『スクーリング3』を開催しました

開催日:2021年5月22日(土)〜23日(日)
URL:https://j-fine.jp/e-pia/


担当者の感想

第十六期不妊ピア・カウンセラー養成講座の『スクーリング3』を、5月22日(土)〜23日(日)に開催しました。

今回のスクーリングでは課題の「ロールプレイ演習逐語録」の発表を2日間に分けて行ないました。Zoomを使用して完全オンライン形式で開催することが決定し、運営を担うピア事務局は、受講生への説明や資料の共有方法、音声の再生方法、講座の進行方法など、いろいろなことを想定しながら事前に打ち合わせを行ないました。受講生は演習の様子を録音した音声を共有する操作を自分で行なうため、事前に共有方法の説明資料を配布した上で、1日目の受付時間の前にZoomのミーティングを開放し、受講生同士で共有方法の確認、練習を行なうことにしました。

1日目は「ロールプレイ逐語録検討」です。これは3月のスクーリング2で学習したマイクロカウンセリングの技法を用いて受講生が2人1組になり、ひとりはカウンセラー役、もうひとりは相談者役で、20分間のロールプレイ模擬カウンセリングを行なって逐語録を作成するものです。逐語録は話の内容をまとめるのではなく、一語一句文字に起こします。考え込んだり沈黙したり、笑いも起こったありのままを文字にし、その後自分なりの評価・分析を加えて受講生全員に共有します。全員で録音を聴きながら、受講生や先生からフィードバックをもらい、さらに考察を深めます。1日目は6名が「ロールプレイ演習逐語録」を発表し、1つのペアにつき1時間半の時間をかけて検討を行ないました。
・相談者にとってどんなテンポが話しやすいのか?
・不妊体験者同士の単なる日常会話とカウンセリングはどう違うのか?
・これまでイメージしていたカウンセリングから抜け出すには?
・寄り添うとはどういうことなのか?
・質問の意図を考えて質問することとは?
・思考やイメージを言葉に変換することのむずかしさ、語彙力を高めるためには?
などが検討事項に挙がり、実践に備えてスキルを学びたい!高めたい!という意気込みが伝わってきました。先生から「頭で理解するだけではなく、実践を積みながら常に高めていくことが大切で、この先ずっと続きます」というアドバイスがありました。

2日目は4名が「ロールプレイ演習逐語録」の発表を行ないました。続いて、「自己を見つめるワーク」がありました。これは20問の質問に答えて自己理解を深める講義です。普段何となく感じたり考えている自分の思いを静かに見てみると、気づいていなかった自分を知ることができたり、理想と現実のギャップも見えてきたりします。また、不妊の体験が出てきたときには今時点での思いも同時にあぶり出されます。その思いを冷静に感じることができているかどうかは、自分の不妊の体験をどこまで相談者へ伝えるかという「自己開示」の問題にもつながります。受講生からは、こういう相談者へはどう伝えるかなど考えておかなくてはいけないですね、という実践に備えた発言も数多く出ていました。私も立ち合いながら受講当時の気持ちを思い出しました。不妊を体験した人が自分自身を見つめ直すということはとても勇気がいることです。一歩引いたところから自分を俯瞰してみると、良い面、良くない面が出てきますが、良くないと思っていたことでも、実は良い面だったことに気づくこともありました。不妊を振り返る作業は、自分自身の成長を促し、自分と向き合えてはじめて他者を思いやる気持ちや関わり方ができていくのではないかと感じています。

これから受講生は学んできた集大成となる試行カウンセリングと試験勉強で本講座の佳境を迎えます。家事や仕事をしながらの課題、試験勉強は本当に大変だと思いますが、ピア・カウンセラーを目指す皆さんを心より応援しています。
(担当:安井・渡邉 /ピア・カウンセラー養成講座運営事務局)

スクーリングを受講した方の感想 (一部抜粋)
  • 逐語録の音声共有と検討は、とても緊張していたが、さまざまなフィードバックとほかの受講生からの見方なども大変参考になった。実際に実践できるかは自主練習と回数を重ねるしかないと思うが、少しずつでも改善していきたい。1ケースずつ割と時間を割いてくださったのでとてもよかったと思う。
  • 先生方のコメントをお伺いし、あらためてクライエントの人生に関わらせていただくという重みに気づかされたのと、寄り添って一緒に漂っていくこと、踏みとどまることの重要さを学びました。
  • 作成した逐語録と音声をあらためて振り返ると、クライエントの気持ちに伴走しながら、しっかりと心の声を伝え返すことがいかに難しいかを実感しました。
  • リモートの特徴だと思うが、みんなの状態が見えないので話がしにくいなと感じた。対面だったらもっと質問したかもしれない。
  • 受講生全員分のケースはそれぞれ異なっており、実際にこういうクライエントに対応することになったら自分ならどうするかを考えながら聞いていた。またほかの受講生の回答もとても参考になった。

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