活動を知る

Fine主催イベント報告レポート

Fine祭り2012 with iCSi 国際会議レポート

「他国の状況を知らせることで、日本国内の法律や環境を整備するきっかけになればと思います」

(参加者の感想)

最先端の不妊治療、各国の不妊事情、卵子提供の体験談や代理母についてなどの発表

開催日:2012年9月1日( 土) 13時00分〜17時00分
主催:iCSiNPO法人Fine(Fine祭り実行委員会)
協力:立命館大学 人間科学研究所 フィンレージの会
参加人数:約130名
開催場所:立命館大学 衣笠キャンパス 創思館(京都市北区)

担当者の感想

Fine祭り2012の皮切りとして開催されたのが、「Fine祭り2012 with iCSi国際会議」です。
iCSi会議(※)は通常、ヨーロッパで会員のみの参加で行なわれる会議ですが、今回は、初めて欧州を離れて日本での実施、また各国の不妊事情を広く一般の方にも知っていただこうという目的で、誰でも無料で参加できる公開講座として開催することになりました。場所は立命館大学人間科学研究所のご協力により同大学の衣笠キャンパスをお借りし、Fine は日本の運営事務局として運営に携わりました。

iCSiコミュニティ代表のサンドラ氏による開会の辞、Fine理事長の松本の挨拶、立命館大学の村本教授による祝辞に続いて講演が始まりました。各公演は実施順に以下の通りです。
・京野廣一先生(京野アートクリニック)の「不妊治療は何歳まで?」このタイトルに惹かれて今回の参加を決めたとおっしゃる参加者もいたほどでした。
・デビー・パノウィッツ先生「不妊の人のためのホリスティックケア」
・ペトラ・ソーン先生「ヨーロッパにおける国境を越えた生殖医療」
・松尾瑞穂先生「インドにおける国境を超える商業的代理懐胎とその文化的背景」
・エステラ・シャルドン先生「卵子提供による出産〜アルゼンチンの一家族の経験から〜」
さまざまなデータや海外での最新医療事情、当事者による事例の発表など、通訳を交えながらなされる中身の濃い講演にみなさん真剣に耳を傾けていらっしゃいました。スタッフとして参加していた私もとても勉強になりました。
卵子提供や代理出産の話題などは、これから正しい知識が必要とされていく問題だと思いますし、こうやって話を聞くことはとても必要なことだと感じました。講演内容は盛りだくさんで、深い内容も多かったのですが、終了後、控室で先生方に質問をされる参加者がいらっしゃるなど、みなさんの関心の高さがうかがえました。

講演の合間の交流時間には、ロビーでお茶とお菓子をご用意しました。短い時間でしたが、狭いロビーにはあふれんばかりの人でとても活気がありました。おひとりで参加された方もそこで他の参加者とお話になるなど、あちこちで交流を図る姿が見受けられました。そしてこのiCSi国際会議には、Fine名誉会員4号の東尾理子さんもご興味を持たれ、参加者としてご来場くださいました。

初めての国際会議運営事務局を務め、準備も大変でしたが、たくさんの方々のご協力により、無事に終わることができました。
改めてお世話になった方々にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
(※)iCSi(International Consumer Support for Infertility=国際不妊患者団体連合)会議
(担当:たかこ/Fineスタッフ)

*配布物Fine年報2012年版」やサンプルなど⇒ 
*当日の様子(スタッフブログより)⇒





Fine祭り2012 with iCSi 国際会議 参加者アンケート

京野廣一氏の講演についてご意見、ご感想(抜粋)
  • ART後の周産期リスクや代理出産のリスクなどが聞けてよかったです。
  • 通常医師やエージェントからはあまり聞けない話です。質問の時間があればもっと良いなと思いました。
  • 今回の内容を部分的に掘り下げた講演を期待したいです。(シリーズとしても可)
  • 中・高校生からしっかりと知識を持てれば素敵だと思った。
  • グラフや様々なデータを見ながら判り易く加齢の影響について学ぶことができた。
  • 不妊治療中の身としては厳しい現実でしたが、それでも聞けて良かったと思います。
  • 40歳すぎてからも妊娠出産できると思われてしまう社会へ、10歳からの啓蒙が大事だと改めて感じました。
デビー・パノウィッツ氏の講演についてご意見、ご感想(抜粋)
  • 氣の話がおもしろかった。
  • 不妊とホリスティックケアについて、もう少し聞くことができればよかった。
  • 具体的な方法を紹介いただければ、更に興味深かったかもしれません。
  • 西洋医学だけが不妊治療ではなく、妊娠しやすい体づくりも大事。
  • 不妊との関係をもう少しききたかったですが、健康のために全身ケアが大切なのだとわかりました。
  • 健康について考えました。
ペトラ・ゾーン氏の講演についてご意見、ご感想(抜粋)
  • ヨーロッパの治療の現状がよくわかり大変興味深かった。
  • 実際、卵子提供や代理懐胎と法律的に認めている国はどれぐらいあるのか知りたい。
  • 海外渡航しての代理出産などは、ドイツを含む欧州においても、大きな問題になってきていることがわかりました。具体的な基準やガドラインは必要だと思いますが、各自の価値観、倫理観を合わせていくのが難しいような気がします。
  • 国境を越えた生殖医療についてのお話をうかがって、自分ならどうかと考え始めるきっかけをいただきました。
  • 他国の事を知る機会として良かったです。
  • ESHRE等のガイドラインをもう一度読んでみたいと動機づけられました。
松尾瑞穂氏の講演についてご意見、ご感想(抜粋)
  • 代理出産の問題点が、調査にもとづいて示されていて、臨場感ある報告でした。
  • これから代理出産を考えている人についても配慮があるとよいのかもしれません。
  • インドでの組織型代理出産については、情報がいろいろ出ていますが、非組織型についてのお話をうかがい、また、大きな問題点をかかえていることがわかり、大変勉強になりました。
  • 興味深かったです。安易に海外で治療を選択してはいけない事実だと思います。
  • インドの事情を通して、代理出産の問題を理解できた。
  • 他国の状況を知らせる事で、日本国内の法律や環境を整備するきっかけになればと思います。
  • インドでの代理出産に組織型、非組織型の別のタイプがあることを知れた点がよかったです。
エステラ・シャルドン氏の講演についてご意見、ご感想(抜粋)
  • 子供には自分の出自を早い段階で伝えるべきという意見は考えさせられた。
  • 海外の不妊団体の存在を知ることができて良かったです。
  • 卵子提供者としての体験と家族のつながりをどうしていくかについての具体的な方法について学ぶことができてよかったです。
  • 日本でもAIDの子たちへの「出自を知る権利」さえも決められておらず、CONCEBIR(アルゼンチンの不妊患者団体)の活動がとても役立つと思いました。
  • 日本では、卵子提供のフォローアップを始めようとしている段階で、もっと医療サイド世論のサポートも大切であるが、医療者にだけでなく患者がメディアでも訴える事も大切だと思った。
  • 卵子提供をうけて母となったエステラさんとお子さんの例から、母として子について考えることがとてもよくわかりました。しかし、卵子提供した人が、このプロセスや経験をどのように考えているのか、ということについても知る必要があると感じました。
「Fine祭り2012 with iCSi国際会議」はどうでしたか?感想(抜粋)
  • いろいろな角度のお話が聞けてよかったです。今後の治療の参考にさせていただきます。
  • 初めて参加しました。想像していたより、本格的な会議で、内容も、満足です。質疑の時間があればもっと良いかと思います。
  • 今回の内容が分野的に発展的に学習できる機会を段階的に作って頂けるとより一層、役立てることができると思います。ぜひ実現を!
  • 日本でどのようにこれらの方法を他の先を行なっている国に習って実現していくのか、日本の国単位で働きかけるにはどうしていくのかを取り組まれてはいかがでしょうか?
  • 国内外の不妊治療の情報を学べてとても参考になりました。
  • 日本はまだまだ不妊について啓発が必要だと改めて実感しました。
  • 普段きくことができない話がきけてよかった。特に国ごとの事情は興味深い。
その他、ご意見やご感想、Fineへのご要望(抜粋)
  • 海外の動きがある意味1つの流れとなり、日本の現状を変えるきっかけになるかもしれない。民族を超えた人間共通の問題として、これから議論され形になることを望みます。
  • 高齢期の妊娠に対するリスクや様々な問題(課題)について、学習できる機会を是非とも提供いただきたいです。
  • 前半の通訳の方のマイクがこもっていて聞きずらいことが多かった。
  • 内容はどれも参考になったり考えさせられたりと楽しく参加できて良かったです。
  • 内容(情報)も良かったですが、英語の勉強にもなりました。

ページの先頭へ