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カウンセリング事業

不妊ピア・カウンセラー養成講座(eラーニング)『スクーリング1』2022年

「多くの仲間がいることがわかり、勇気づけられました」

(受講生の感想より)

第十七期不妊ピア・カウンセラー養成講座の『スクーリング1』を開催しました

開催日:2022年1月15日(土)〜16日(日)
URL:https://j-fine.jp/e-pia/


担当者の感想

第十七期不妊ピア・カウンセラー養成講座の『スクーリング1』を、1月15日(土)〜16日(日)に開催しました。新型コロナウイルス(オミクロン株)の感染急拡大により、集合形式で開催できるかギリギリまで検討しましたが、最終的に集合形式で開催することを決定しました。地方から参加される受講生も多く、当日は皆さんが無事会場までお越しになるかドキドキしながら会場でお待ちしていましたが、開始時間には集合された皆さんの顔を見られてホッと一安心しました。

1日目は、まず、運営事務局より「オリエンテーション」として、受講についての諸注意、認定のための課題等について説明をしました。次に「先輩ピア・カウンセラーによる体験談」では、第十五期生の松本さんが発表しました。受講のきっかけや受講中の同期とのかかわり、現在の活動など、受講生に向けてわかりやすくお話しされました。松本さんが受講された第十五期は新型コロナウイルスの影響で認定試験が1年延期されました。その期間の過ごし方、認定試験に向けて受講生同士で練習問題を作成し合ったことなどのエピソードもあり、一緒に受講していく同期の皆さんとの出会いを大切にしてほしいという思いも伝わったのではないかと思います。
休憩をはさんで、山本美幸先生による「グループワーク」で受講生の自己紹介を行ないました。初対面なのにマスクをしたままだと顔もよくわからないので、受講生からの提案で、一瞬だけマスクを外して顔を見せた後にそれぞれ自己紹介をするようにしました。この講座を受講しようと思ったきっかけや自身の体験などを話してもらい、他の受講生はこれから一緒に学んでいく同期の話を真剣に聞いている様子でした。
続いて「傾聴演習」では、まず講義で「共感と同調・同感の違い」や「聴く」ことについての解説の後、ペアに分かれてノンバーバル演習を行ないました。ノンバーバルというのは非言語的という意味で、言葉以外で相手とコミュニケーションをとるために用いるカウンセリングの技法の一つです。ペアになって、目線の合わせ方、態度や座る位置、うなずきやあいづちなどの状況を変えて、どのようにすれば相手に聴いているということが伝わるか演習を行ないました。自己紹介がアイスブレイクになったのか、ペアになったら和気あいあいムードになり、感想共有では闊達な意見交換がなされていました。演習で実際に体験することで「聴く」ことの難しさ・奥深さを感じたようでした。視線についての演習ではマスクをしながらの生活が普通になったので視線運びがより難しく感じるという声もありました。この演習によって、自分の癖を自覚することの大切さを学べたのではないかと思います。
最後に「自己を見つめるワーク@」では「エゴグラム」という心理学理論に基づいて作られた性格診断テストを使って自分の性格の傾向を知り、自己理解を深めるワークをしました。テストを受け、解説を聞いた後はグループに分かれて、結果について受けた印象のシェアを行ないました。客観的に自分を分析し「自分は実はこういう人」「普段の自分の姿はこうだ」など言葉にしたことでより自己理解が進んだように思います。そのあとは「理想のエゴグラム」を書いてみて、明日からできることを具体的に考えました。先生の「過去の自分は変えられないけれど、これからの自分は変えていける」という言葉が印象的でした。エゴグラムには具体的な解説が記されているので、行動化するにも何からやっていったらいいかがわかりやすい、という声も聞こえてきました。

2日目は、平山史朗先生による講義で、初めに「ピア・カウンセリングの始め方、終わり方」について学びました。クライエントの緊張を少しほどくような迎え方、守秘義務などについての基本的な説明をすること、カウンセリングの終了へ向けてのアプローチについて説明を受けた後、実際に行なって体験しました。受講生からは活発に質問が出ていて皆さんの意欲を強く感じました。
その後、1日目に学んだ「傾聴」を基本とした「ピア・カウンセリング演習」を行ないました。2人1組となり、短い時間の中で話を聴きます。カウンセラー役がクライエント役の話を聴いて「こんな感じでしょうか?」と伝え返す言葉でクライエント役の人が「そうです、そんな感じです」というところまでいけるかを実践しました。時間の長短、伝え返す言葉についてなど、さまざまな意見が活発に取り交わされていました。
後半は3人1組となりクライエント役が人間以外のものを演じてカウンセリングを行なう「イヌバラ法」を体験しました。クライエント役は人間以外のものになりきって悩みを語り、カウンセラー役は人間以外のものの気持ちを聴く、もうひとりはそれを聴いてどう思ったかを伝えます。皆さん体験したことのない演習を行なうことで、あらためて「傾聴」についてさまざまな意見を交換していました。
ここ1年半ほど、新型コロナウイルスの影響で集合形式のスクーリングがほとんどできていませんでしたが、演習、実践、講義を対面で行なうことの大切さや、受講生にダイレクトに伝わる力強さをあらためて実感しました。

新型コロナウイルス(オミクロン株)の感染が広がりつつある中で、ギリギリまで集合形式の実施を迷いましたが、東京都にまん延防止等重点措置が発せられる前に無事開催でき、受講生からも「対面で学ぶことの大切さが実感できた」「eラーニングではよくわからなかったことも、理解できた」「同期と話すことができてよかった」「次のスクーリングに向けてがんばろうと思えた」など、前向きな感想をいただき安堵しました。次回『スクーリング2』は2022年3月12日(土)〜13日(日)を予定しています。より安心して集合形式で実施できるよう願っています。
(担当:安井・岡田/ピア・カウンセラー養成講座運営事務局)

スクーリング1を受講した方の感想 (一部抜粋)
  • eラーニングで基礎講座は受講していましたが、やはり対面の方が理解が深まると感じました。
  • カウンセリングの基本に触れることができ、とても楽しくそしてがんばって勉強しようと思います。
  • 傾聴演習は、さまざまな傾聴の態度を体験しましたが、普段意識していないことを行なうことの難しさを感じました。
  • 傾聴してもらえると、自分が本当に感じていた気持ちに気付くことができると感じました。ロールプレイを通してしか実感、体感できないことだったと思うので、対面式でスクーリングを開催していただいたことに感謝しています。
  • ロールプレイがあって、楽しみながら理解できた。eラーニングではわからなかった微妙なニュアンスが実際の講義で説明を受けることができたのでよかったです。
  • eラーニングで勉強した時には、伝え返しの技法にあまりピンときておらず理解しきれていない部分があったのですが、実際に演習でやってみることで、相手の感情に向き合うということが少しわかった実感がありました。文字だけで勉強していても絶対わからない部分だったと思います。

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