NPO法人Fine主催 不妊ピア・カウンセラー養成講座(eラーニング)」のライセンス取得コースを修了し、 認定試験に合格すると、Fine認定不妊ピア・カウンセラーとして認定されます。
現在、Fine認定不妊ピア・カウンセラーとして活動しているメンバーの体験談を紹介します。
「治療がどうなるか、妊娠・出産できるのか、それはいつか?」。不確実の中で何かを決めるのは大変なことです。そのときのヒントとして、例えば「不妊治療と仕事の両立をテーマにしたワークショップ」などを行ないたいと考えています。そして、「治療をしながらでも、その人が今できること、行動に起こせること」を考えることから、自分らしい生き方をデザインする機会を提供したいと思います。
Fine主催「不妊ピア・カウンセラー養成講座」を受講していたとき、「人はそれぞれ生殖物語を持っている」という言葉が心にストンと落ちてきました。「こんなにも苦しかったのは、私の生殖物語は止まったままだったから。自分の物語を今から書き換えればいいんだ!」と気づき、それからは「不妊」の言葉に心が揺れなくなりました。
不妊治療をしていた頃を思い出すとき、思い浮かぶのはいつも、不妊外来の待合室でポツンと座っている自分の後ろ姿。待合室は人であふれているのに、とっても孤独で、心の中は心細さと不安とやるせなさでいっぱいでした。だから今、あの時の自分のように、いろんな思いを抱えて待合室でじっと順番を待っている誰かに、ピアとして声をかけたい、話を聴きたいと思い活動しています。同じ不妊体験をした仲間として、不妊ピア・カウンセリングを行なうこともその一つです。そして、将来、同じような立場の仲間が年齢を重ねたときに支え合えるネットワークをつくりたい。そのお手伝いができれば、と思っています。そうした活動が各地に広がったらいいなと願っています。
話せる人もなく、孤独感でいっぱいでした。
養成講座を受講して「自分が体験したことが無駄ではない」「誰かの役に立ちたい」という想いが湧き出てきました。さらに養成講座の仲間から、たくさんの「勇気」と「希望」をもらいました。そして、家族の絆も深まりました。
不妊ピア・カウンセラーの認定を頂き、ピア仲間からもらった「勇気」と「希望」を今度は地元の仲間に贈りたいと想い、沖縄県那覇市の公民館で、わかち合いの場『サ チュン』(沖縄の方言で咲くという意味)を、2008年5月から毎月1回、開催しています。参加メンバー同士の情報交換や話に花が咲き、2時間があっという間です。参加メンバーの成長を感じることがたくさんあります。
2011年から不妊専門クリニックにて不妊カウンセリングを行なっています。(看護局兼務)
不妊を体験したからこそわかち合えることを強みに、一人一人に寄り添い、精神的なサポートや思いやりの心で仲間との出会いを大切にしています。
不妊ピア・カウンセラー養成講座の勉強自体はなかなか大変ですが、得るものも大きいです!
同じ体験をして同じ思いをしている人の役に立てることも素晴らしいことですし、自分自身にも癒やしとなって返ってきますよ~。
世の中には簡単に子どもを授かる人や、授かって困る人がいるのに、私は不妊治療でこんなに何度も痛い思いをしたり何かを犠牲にしても、なぜ授かれないんだろう…とずっと思っていました。
自分より後に結婚した人たちが次々に妊娠・出産をしていくのを見て、悲しい思い、悔しい思い、惨めな思い、情けない思い、羨ましい思いなどネガティブな感情は全て経験しました。自分はどうしてこんなイヤな人間になってしまったのだろうか…、こんな負の感情は経験しないほうがいいのにと思っていました。
しかし、今は違います。この講座を受講して考えが少し変わりました。同じ経験をした仲間がたくさんいることがわかって、自分だけがこんな感情になっていたわけではないんだ、他のみんなも少なからずこのような感情を経験し、悩んできたんだということがわかり、安心感を覚えました。実際につらい経験をしてたくさんの負の感情を味わったからこそ、同じ経験をして悩んでいる人の気持ちが痛いほどわかります。これは不妊ピア・カウンセラーとしての強みだと思います。
私はこの講座を通して、同じ不妊を経験した仲間の体験談を聞き、その時の感情を知って、自分だけじゃないという心強さを実感しました。さらに、一緒に学んだ仲間という存在の大切さを感じ、不妊ピア・カウンセラーになるための勉強以外の部分でも有意義な経験ができたと感じています。