「子どもを望む夫婦が機を逃さず、自分たちらしい選択ができ、養子縁組や里親について理解を進めるため、特別養子縁組のドキュメンタリー作品「“縁組み家族”君がくれた幸せ」の上映会をオンラインで実施しました」
開催日:2025年2月8日(土)10時00分~11時45分
開催場所:Zoomによるオンライン開催
参加費:無料
養子縁組や里親制度は、「子どもの最善の利益のために」と「社会全体で子どもを育む」を目的としていますが、日本は諸外国に比べ血縁のない親子関係は理解されにくく、情報に接する機会も少ないのが現状です。一方、不妊当事者からは、実子以外の選択肢についてもっと早く知っていれば、もっと早く知りたかったなど後悔の声も寄せられています。
今回の上映作品「“縁組み家族”君がくれた幸せ」は、実際の縁組み家族の出会いからの7年間を追ったもので、喜びや葛藤を経験しながら親子の絆を深める様子を描いています。作品を観た後、5名程度のグループでブレイクアウトルームに分かれて、感想や疑問に感じたこと、制作者への質問など、15分程度で共有していただきました。「家族の温かさだけではなく葛藤、覚悟も感じられた」、「真実告知の難しさも感じた」など、参加者の皆さんで話し合った内容を共有していただきました。
その後、作品制作者の安川 克巳ディレクターの講演を行ないました。安川氏は、中京テレビで特別養子縁組の取材を13年続け、関連の番組を6本制作し、日本放送文化大賞グランプリやギャラクシー賞の優秀賞を受賞されています。独立後も番組制作を続けながら、特別養子縁組についての啓発活動を行なわれています。特別養子縁組制度の概要、ドキュメンタリーを制作しようと思ったきっかけ、実際の親子の取材を通して感じたことなどをお話しくださいました。
実子以外の選択肢については、情報が入手しにくい環境になっていることもありますし、国から認定された斡旋団体の方針もそれぞれで統一されておらず、行政によっても運営方法や条件が異なっていることもあり、実際に特別養子縁組制度を利用して子どもを迎えたいと思ってもハードルが高く感じてしまう状況もあります。Fineは、不妊治療を始める前にさまざまな選択肢について知り、自分たちの本当の望みを考えることは、後悔のない選択につながると思っています。「血縁のある子どもを産みたい」という気持ちも、「産むことではなく育てることに意味を感じる」という気持ちも、どちらも尊重してほしいです。そのためには、早い段階からさまざまな情報に触れ、カップルで率直に話し合う機会を持つことが重要です。社会全体としても、養子縁組や里親制度といった不妊治療以外の選択肢についてもっとオープンに議論される環境が求めらていると感じています。
(担当:金澤、大久、大塚、野曽原/Fine スタッフ)