「会場に来られた方も、率直で、優しいお話を受け入れ、自分たちの基本的な視点・視野をもつことができたのではないでしょうか」
(岡山二人クリニック院長 林伸旨先生の感想)
「患者の立場からから見た不妊治療」というタイトルで講演をしました。
主催: 岡山二人クリニック(岡山市)
URL: http://www.futari.or.jp/
実施日:2013年3月10日(日)
「望妊セミナー」にお声掛けいただき、お話をさせていただきました。
この「望妊」という言葉は、岡山二人クリニック院長の林先生が考案され、こちらで提唱されているもの。確かに不妊の‘不’という響きよりも「望む」の方が、明るい気持ちになれるなぁ、といつも思います。(^^)
この日のプログラムは、初歩的なことから詳しい内容までを網羅する、盛りだくさんの内容でした。
まず、DVD「望妊治療」上映(岡山二人クリニック制作)。
アニメーションが多数用いられていて、ストーリー性のある「治療のいろは」の解説が、とてもわかりやすかったです。
続いて、岡山大学大学院保健学研究科 教授の中塚幹也先生による講演「どういったときに受診したほうが良い?」。不妊かな?と悩んだとき、カップルに子どもができづらい要因としては、どういうことが考えられるか、早めに病院に行ったほうがいいケースやその症状などについて、たくさんの画像とともに、時にユーモアを交えてお話しされました。
次に、岡山二人クリニックの寺田さなえ先生による「どういったときに体外受精が必要になる?」の講演。こちらは治療別の妊娠、出産、流産率などについて、日本産科婦人科学会とクリニック、それぞれのデータを用いて解説。実際に体外受精が適応となるケースについて、具体的に例を挙げて詳しく説明されました。
続いては、治療に関するお金の話です。岡山二人クリニックの臨床心理士で不妊治療相談士、門田貴子先生「不妊治療の費用と補助」では、治療費用の保険が適用になる部分とならない部分(自費診療)の区分や費用の仕組み、また、助成金はじめ医療費の還付の方法などについての詳しいお話がありました。岡山県内のいくつかの市では、不妊治療に対して、厚生労働省からの助成金に加えて、自治体独自の助成金が出されており、治療費用が全額無料になるところもあるそうです(!)素晴らしい制度だなとうらやましく思いました。
私は、自分自身や友人たちの体験を踏まえて、今不妊かもと悩んでいらっしゃる方に向けて、お伝えできることがあるとしたら・・ということで、お話しさせていただきました。
カップルで参加されている方が多く、皆さんメモを取るなどして、それぞれの講演を熱心に聞いていらっしゃいました。終わってからも、各講演者の方への質問に来られるなど、皆さんの妊娠を望む気持ち、本気度がひしひしと伝わってきました。
不妊に関するイベントはさまざまなものがありますが、このように、妊娠を望んだときから治療中という幅広いカテゴリの方に向けての、一般的な知識としての情報提供は、意外と希少だと思います。私自身も、とても勉強になったセミナーでした。
(担当:松本 亜樹子/Fineスタッフ)