「同じ環境にいる人と出会えたことで力が抜け、一緒にがんばりたいと思いました」
(参加者の感想)
クリニック主催のセミナーと体験者の交流会において、講演と会のファシリテーターを務めました。
主催: アイブイエフ詠田クリニック(福岡県福岡市)
URL: http://www.ivf-nagata.com/
実施日:2016年1月28日(木)
冬の冷たい雨が降る福岡で、不妊専門クリニック主催の講演と患者さんの交流会が開催されました。外の空気とはまるで違うハートフルであたたかい会になりました。
主催・企画はアイブイエフ詠田クリニック様で、Fineへのお声掛けはすでに8回目となりました。今回は今までご要望が多かった交流会も一緒に開催となり、ファシリテーター(進行役)も務めさせていただきました。参加いただいたのは11名。クリニック様のご配慮で通院されていない方も受け入れてくださるため、今回の会も他院に通っていらっしゃる方が数名いらっしゃいました。
まず最初に、30分程度私の体験談をお話ししました。10年という長い年月にわたった不妊治療について、子どものいない人生をどうやって受け入れていったか、そしてどんな今があるのか、そんなお話をさせていただきました。
今までは講演だけで終了でしたので、みなさんがどのように受け取ってくださったのか、お顔の表情などで推察するだけでしたが、今回は交流会で「私も転勤族だったんです。仕事や人間関係がゼロになる気持ちとってもよくわかります」「一人閉じこもって自分だけこんなつらい状況って私も思ってました」と共感してくださっていたことを実感しました。
人数が多かったので、交流会では二つのグループに分け、クリニックの心理カウンセラーさんと二人でそれぞれ進行役を務めました。治療段階で分けたので同じような年代で同じ治療をしているもの同士、話題は次から次へと出てきて、治療のこと、仕事との両立のこと、夫との関係、親との関係、鍼やその他の治療について、そして治療のやめどきについてと尽きることはありませんでした。
ただ治療段階は一緒でも、やっている治療の内容は一人ひとり違っています。それでもなお、感じていること、考えていることが同じで、「不思議な感じでした」とアンケートに記してくださった方もいらっしゃいました。
「みなさんにこころのお土産をもって帰っていただきたい」というクリニックの心理カウンセラーさんのご提案で、ちょっとしたワークもやってみました。自分が他の人に言って欲しい言葉をいくつか書きだし、同じテーブルで話をした数人からその言葉を言ってもらうというものでした。背中に手をあて「大丈夫だよ」「いつもがんばってるよね」「もうがんばらなくてもいいよ」と言ってもらえると、その言葉がこころにしみていくようでみなさんじんわり涙ぐんでいらっしゃいました。
全部の予定が終了しても、みなさんまだまだ話したりないようで、立ち上がってはまた座り直し情報交換や連絡先交換と、おしゃべり会などでよくみられるいつもの光景が見られました。
たくさんの笑顔と涙があふれるあたたかい場になり、その場を一緒に過ごすことができたことをとても嬉しく思いました。
患者さんのこころのケアのためにとこの会を企画主催し、準備に奔走してくださるクリニックのスタッフの皆様に、同じ患者の立場のものとしてあたらめて感謝申し上げます。
(担当:堀田敬子/Fine公認ピア・カウンセラー)
<参加者からいただいたご意見・ご感想(アンケートより抜粋)>