「生殖現場で働く者としてこの先患者さんにも情報を伝えていかなければならないと思いました」
(参加者の感想)
「もうひとつの選択肢、養子縁組を考える」というテーマで、不妊当事者の揺れる気持ち、特別養子縁組の制度、乳児院の赤ちゃんと日本の現状をお話ししました。
主催: 松田ウイメンズクリニック
(鹿児島県鹿児島市)
URL: http://www.synapse.ne.jp/~kaz/
実施日:2015年9月17日(木)
鹿児島市内中心にある松田ウイメンズクリニック高度生殖医療センター様の院内勉強会にて「もうひとつの選択肢、養子縁組を考える」というテーマで講演させていただきました。
初めての鹿児島を迎えてくださったのは、明るく笑顔の素敵な松田ウイメンズクリニックのスタッフの皆さんでした。暖かい色合いで統一された院内を案内していただきました。目に留まったのは待合室にあるゆりかごの置物。元スタッフの方が患者さんを想い、手作りされたものだそうです。スタッフの皆さんの優しさに心がほっこりしました。そしてもうひとつ目に留まったのは、卒業した患者さんからの「卒業カード」。長い治療の末の妊娠報告、先生やスタッフの皆さんへの感謝の気持ちが何冊にも綴られていました。
講演では、私から「不妊当事者の揺れる気持ち」「特別養子縁組の制度」「乳児院の赤ちゃんと日本の現状」を自分の体験を交えてお話しさせていただきました。会場には、クリニックのスタッフの皆さんの他、児童相談所の方、小児科の先生もお越しくださっていました。不妊治療終結後に、養子縁組について調べるご夫婦が多くいらっしゃいますが、治療にピリオドを打つのはとても難しく、切り替えることも、それを決断することも時間が必要です。治療中から他のあらゆる選択肢を知ることで、たとえ最終的に養子縁組を選択しなくとも、自分たちにはどの道(選択肢)が合っているのか考えるそのプロセスこそが、納得して人生を歩むためには大切であることをお伝えしました。
治療とは直接関係のない特別養子縁組の話でしたが、スタッフの皆さんによると患者さんから「養子」の言葉が出ることもあるとのこと、皆さん、関心を寄せ熱心に耳を傾けてくださっていました。
講演後の懇親会では、医療従事者にできることはどのようなことなのか、患者さんにとって良いアナウンスの方法など、たくさんの方と活発に意見交換することができました。
大変貴重な時間を過ごすことができました。心よりお礼申し上げます。
医師、看護師、培養士、受付など職種を問わずスタッフの皆さんが一丸となり患者さんをサポートなさっている姿勢に心を打たれた鹿児島出張となりました。
(担当:池田麻里奈/Fine公認ピア・カウンセラー)
<参加者からいただいたご意見・ご感想(アンケートより抜粋)>