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国政への働きかけ

国政への働きかけ 活動レポート

参議院自由民主党事務局政策審議部からお声がけいただき、2020年2月19日(水)に行なわれた「少子化に関する勉強会」で、NPO法人Fine理事長 松本亜樹子が「不妊治療の現状と課題」について講演しました。


   

2月19日に参議院自由民主党政策審議会にて、「不妊治療の現状と課題」を議題とし、「働きたい×産みたい」と思う女性の活躍の実現にむけて講演しました。また、その後の意見交換会では、子どもを望むすべてのカップルが外的要因であきらめずに済むように、議員のみなさま方のお力添えをいただけるようお願いしました。

冒頭の松山政司政策審議会長のご挨拶では、不妊治療は知られていないだけで多くの方が悩んでいること、そして国内の年間出生児のうち、体外受精で生まれる子どもの割合が少なくないことにも触れられ、少子化対策としても重要な課題であり、思い切った手を打つ必要があることを述べられました。「今まで光があてられなかったところにも光をあてたい」と、非常に心強いお言葉ではじまりました。

講演では、まず、Fineの紹介と不妊の現状をお話ししました。次に、Fineで実施した当事者アンケートをもとに、不妊治療には四つの負担(身体的、精神的、経済的、時間的)があることをお伝えしました。特に経済的な負担については、実際に治療にいくらかかっているのかを知っていただき、その経済的な理由で治療を断念しているケースが多い現状をお伝えしました。また、仕事と不妊治療の両立については、職場に不妊治療の両立支援制度や体制が整っていなかったり、当事者に対する職場の心無い対応から、ハラスメントが発生していたりする現状があります。働きながら不妊治療をしている方の大多数が仕事との両立の難しさを感じており、中には退職を選択するケースが少なくなく、結果、企業は働き盛りの優秀な人材を喪失し、人材不足の問題につながっていること、そしてそれは国として、産みたい女性が輝きにくい社会であり、少子化がさらに加速する大きな要因になることをお伝えしました。
議員のみなさまは大きくうなずかれながらお話を聴いてくださり、これまでアンケートやメールなどでFineに寄せられた当事者の生の声が国政へしっかり届いていることを感じました。
政府の掲げる「すべての女性が輝く社会」や、「希望出生率1.8」の実現に向けて、是非とも改善されてほしい現状がここにはあります。

講演後は、議員のみなさまより、不妊治療をめぐるさまざまな問題に対して、心からご理解をお示しになるコメントをいただくとともに、その問題解決のために何が必要なのか、より具体的な取り組みについて意見交換をさせていただきました。
まず、不妊治療と仕事との両立については、実際にどのような制度があると当事者を支援できるのか、本人のプライバシーを守りながらもタブー視しない環境をどのようにつくるべきかご意見をいただき、時間単位年次有給休暇や取得理由を問わない休暇など、休暇制度の在り方についてお答えしました。また、企業が推進していくためには、次世代育成支援対策推進法(くるみん認定)や女性活躍推進法(えるぼし認定)に、不妊に関することを加える必要性にも言及しました。議員のみなさまからは、企業が環境整備を進めるためにも、まずは行政が率先垂範していく必要があるというお声をいただきました。
また、他にも解決すべき問題として、社会保障や医療、教育という視点からもご意見をいただきました。不妊治療に対する公的保険や助成金(金額や年収制限など)の今後のあり方、生殖補助医療の研究開発の支援やそれに関する法整備、若い世代の不妊も含めたヘルスリテラシーの向上などについて、意見交換をさせていただきました。

議員のみなさまからいただいた多くのご質問、ご意見はどれもが具体的で、そして現在・過去・未来の不妊で悩む人の心に寄り添ったものでした。質疑応答含め、1時間という限られた時間でしたが、日本の未来につながる大変有意義な時間になったことを強く感じました。
私たちFineは、サブネームである「現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会」として、過去、現在だけでなく未来の不妊体験者のための活動も、引き続き行なって参ります。
(レポート担当:野澤愛/Fineスタッフ)


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