【塩崎恭久厚生労働大臣宛要望書】
https://j-fine.jp/activity/act/yobo-ryoritsu_k.pdf
【加藤勝信一億総活躍担当宛要望書】
https://j-fine.jp/activity/act/yobo-ryoritsu_i.pdf
塩崎恭久厚生労働大臣 野田聖子衆議院議員 |
加藤勝信一億総活躍担当 野田聖子衆議院議員 |
塩崎大臣との面談で不妊治療と仕事の両立困難な現状をお伝えしたところ、ワーク・ライフ・バランスの観点から強い懸念を示されました。また、この4月から回数、年齢の制限が行なわれる特定不妊治療費助成制度*1)に関して質問し、再度内容に関する検討会の実施を要望いたしました。
加藤大臣との面談では、2015 年 6 月 26 日に発表された「女性活躍加速のための重点方針 2015」に明記された、ワーク・ライフ・バランスを推進する企業に対する評価項目として、不妊治療・妊娠・出産による退職者の再雇用制度等計7項目を加えていただきたい旨をお伝えいたしました。
どちらの面談でも、野田議員とFineメンバーより、6組に1組のカップルが不妊治療を行なっているというデータや、治療による急な通院が頻繁になること等、不妊治療の実態と生の声を詳細にお知らせすることができました。
今年4月からの特定不妊治療費助成制度の改定により、不妊治療患者の経済的負担が大きくなる中、治療を続けていくためには仕事をしながら治療を受けられる環境がより一層必要となっています。
しかし、マタハラ*2)・パタハラ*3) などが騒がれる昨今、それらより表面化しにくい不妊治療に対しては、まだまだ企業や社会の理解が十分とはいえない状況です。Fineが2015年に公表した 「仕事と治療の両立についてのアンケート」*4) では、不妊治療と仕事の両立経験者のうち 約9割の人が「両立は困難である」と回答し、約4割の人が退職など就業形態を変えざるを得ないことが明らかになりました。同時に、心ない言葉を受けた経験者の声など、不妊治療患者を取り巻く厳しい現実が浮き彫りになりました。「(体外受精を)一回で成功させろや」というパワハラ*5) 混じりの強烈な見出しが新聞紙面に登場するなどさまざまなメディアで取り上げられ、「プレマタニティ・ハラスメント」として話題にもなりました。
特定不妊治療費助成制度の助成金の対象となる高度生殖医療は、治療1回あたり50万円前後の費用がかかることも珍しくありません。Fineが2013年に公表した 「不妊治療の経済的負担に関するアンケート Part2 」*6) では、半数の人が治療総額として100 万円を超えていることが明らかになり、この割合は2010年に実施した同様のアンケート*7) より上昇しています。
しかし現在、助成金の支給条件として730万円の世帯年収制限があります。高額な治療費を夫婦で働いて工面しようと思っても、前述のように両立は難しく、仕事を優先すると治療は滞る。仕事を辞めて治療に専念しようにも、1人の収入では心もとないし、それなら夫婦で貯金を作ってから、と考えているうちに産みどきをどんどん逃してしまう。2回のアンケート結果からは、こういった現状に悩む声が多数挙がっています。
政府の掲げる「すべての女性が輝く社会」や、「希望出生率1.8」の実現に向けて、是非とも改善されてほしい現状がここにはあります。
Fineのサブネームは、「〜現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会〜」です。
名前の通り、過去、現在だけでなく未来の患者のための活動も、引き続き行なっていきます。
*1) 不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、高額な医療費がかかる、配偶者間の不妊治療に要する費用の一部を助成する国の支援制度。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/shien/
*2) マタニティ・ハラスメント。女性に対し妊娠・出産・育児をきっかけに嫌がらせや解雇等不当な扱いにおよぶこと。
*3) パタニティー・ハラスメント。男性の育児参加の権利や機会を、職場の人間が侵害する言動におよぶこと。
*4) https://j-fine.jp/prs/prs/fineprs_ryoritsu1508.pdf
*5) パワーハラスメント。職務上の地位など優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、相手に精神的・身体的苦痛を与える言動におよぶこと。
*6) https://j-fine.jp/prs/prs/fineprs_keizaipart2_1304.pdf
*7) https://j-fine.jp/top/anke/keizai-anke.html