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カウンセリング事業

第二十期不妊ピア・カウンセラー養成講座『スクーリング1』2025年

「長時間だと思っていましたが、ワークなどの時間が足りないくらい充実した内容でした」

(受講生感想)

第二十期不妊ピア・カウンセラー養成講座の『スクーリング1』を開催しました

開催日:2025年7月12日(土)〜13日(日)
URL:https://j-fine.jp/e-pia/

担当者の感想

7月12日(土)〜7月13日(日)に、第二十期不妊ピア・カウンセラー養成講座の『スクーリング1』を開催しました。

受講の皆さんは、初めてのスクーリングの初日とあって、とても緊張した面持ちで来場されました。1日目は午後からで、最初は「オリエンテーション」として事務局より配布物の確認や、諸注意等の事務連絡を行ないました。続いて、先輩の不妊ピア・カウンセラーの体験談では、自身の不妊体験と、養成講座を受けようと思ったきっかけや講座の中での学び、Fineでの活動について、今後どのような不妊ピア・カウンセラーを目指しているか、などの話がありました。

休憩をはさみ、小倉智子先生の「グループワーク」がスタートしました。依然緊張が解けない様子の受講の皆さんでしたが、まず机を取り払い、椅子を円形に並べて顔を合わせました。自己紹介では、どこから来たかと養成講座を受けたきっかけを順番に話していきました。お互いの話を聴いていくうちに、自分と似たような経験を持つ人がいて共感が強まったり、親近感を抱いたりする場面も多く見られました。次第に特に指名されなくても自然と発言したり、とても和やかな雰囲気で演習が進められました。話を聴くための準備、視線や声のトーンの大切さを体感できたようでした。終わる頃には、最初の緊張がすっかり取れ、先生や受講生同士の距離がかなり縮まった様子でした。

続いて、2人1組のペアになって、話し手の今少し気になることについて、話し手がぴったりだと感じるまで、聴き手が感情を確かめてみるという「傾聴演習」を行ないました。どのペアも、さまざまな感情の言葉を出しながら、数回の応答で話し手のしっくりくるところまで到達した様子でした。小倉先生からは「ついつい気になる『理由』や『情報』を取りにいってしまいがちだが、話し手の『今の気持ち』に焦点を当てることを大切に」とアドバイスをいただきました。最後は、「不妊ピア・カウンセリングの始め方・終わり方」についての講義を受けました。場所の設定、守秘義務について、ピア・カウンセリングの限界について、また、実際のクライエントの反応などについてもお話があり、受講の皆さんが熱心にメモを取る姿が見られました。実際に使う説明の例文をできる限り暗記して、話してみるというペア演習も行ないました。

スクーリング初回の1日目ということで、最初は皆さん緊張感が大きいように感じられましたが、傾聴演習やペア演習を通じて、初対面でも自分のことを話したり、相手の話を聴いたりしていくうちに、受講生同士がかなり打ち解けたようで、皆さん「明日もよろしくお願いします」と笑顔で帰路に着かれました。

2日目は、前日の涼しさから一転、夏らしい暑さが戻り、午前からスタートしました。1コマ目は、養成講座第6期生の堀田敬子先生の「グループカウンセリング演習」です。ご自身の治療体験、養成講座受講時の話、公認心理師の資格を取得し、心理の専門家として活躍されている今について話された後、グループカウンセリングについての講義がありました。その後、実際のデモンストレーションでは、「夫婦間の温度差」というテーマで、堀田先生がファシリテーター役で、受講生4人がクライエント役になりました。グループカウンセリングは初めてという4人が入りましたが、自分の体験談やその時の気持ちを話されて、皆さんからも共感のうなずきが多くみられました。その後、振り返りや検討を行ない、受講生同士でのグループカウンセリングに移りました。「治療中の友人関係について」「仕事と不妊治療の両立」をテーマにして行ないました。ファシリテーター役の受講生は、初めてファシリテーターを担当したとは思えないほど堂々とした仕切りぶりの人も多く、クライエント役の皆さんも過去の思いなどを打ち明け、「感情の迷子」「(不妊と)言えないプライド」「黒い気持ち」など、治療経験者ならではの感情を表現する言葉が聞かれました。その後の振り返りでは、受講生から活発な感想や積極的な質問が飛び交い、学びを深めようという姿勢が見られました。

2コマ目の「自己を見つめるワーク@」では3〜4人でグループを作り、そのメンバーの印象を漢字1文字で表すという「漢字フォーカシング」を行ないました。前日に知り合ったばかりの関係ですが、これまでの演習などで感じた印象をそれぞれが1文字に込めていきます。自分自身の捉え方と他の人から見た自分の印象の違いをそれぞれが感じる時間になりました。さらに、堀田先生から「自分の気持ちを言葉にする体験をしてほしい」という意図で「私がカウンセラーになったら」というペアワークを行ないました。それぞれが自分の思いを真剣に言葉にしていました。堀田先生からは「これからずっと考えていくことだと思うので、今後も機会があれば相手を見つけて『ちょっと聞いて』とこのワークをしてほしい」というお話がありました。

午後は、平山史朗先生の「マイクロカウンセリング演習」です。冒頭で「技術や理論を習得していくことでカウンセリングがやりやすくなるので『型』を知ってほしい」と話されました。基本的かかわり技法について、まず視線の合わせ方を体感するために、ペアで演習を行ないました。昨日のスクーリングの感想を話すことになり、話し手が話す間、聞き手は@目を見る、A下を向く、B鼻から口をぼんやり見る、C鼻から下を見つつ時々目を合わせる、という流れで先生の合図をもとに視線を変えていきました。立場を変えてそれぞれ話し手と聞き手を体験した後、続いて今度は、話し手が自分の好きなエンタテインメントについて一生懸命話している時に聞き手が全力で聞かない姿勢を見せる、その後無表情になる、というワークを行ないました。聞き手が視線を他に向けたり、全く向き合ってくれない時にどういった気持ちになるかを実際に感じることができたと思います。聞き手が全力で聞かない姿勢をする際にはそれぞれの個性が出ていたので、終わった後には笑いがあふれ大いに盛り上がりました。

その後は基本的かかわり技法のそれぞれの技法について、カウンセリング事例をもとに演習を行ないました。また、どの技法を使っているかを答える演習では、「私はこう思ったんだけど、なぜそうなのか?」といった積極的な質問も出て、平山先生が丁寧に答えてくださっていました。

初日はまだぎこちなさも見られた受講生ですが、この2日間のグループ演習などを通してぐっと距離が近づいたようで、休憩時間には和やかに談笑する様子が見られました。同期の関係は、これからスクーリング2、3、そして認定試験と進むにつれ、お互い切磋琢磨し、励ましあえる貴重な関係になるでしょう。10/4(土)・5(日)のスクーリング2まで、今回のスクーリングの復習や動画視聴を進め、また元気に再会できる日を楽しみにしています。
(担当:渡井・萩原 /ピア・カウンセラー養成講座運営事務局)

スクーリング1を受講した方の感想 (一部抜粋)
  • 授業の内容もとても専門的でここまで深く教えていただけるのはとてもありがたいです。
  • 皆さんが不妊体験者ということもあり何の遠慮もなくしゃべれるのがありがたいです。
  • 長時間だと思っていましたが、ワークなどの時間が足りないくらい充実した内容でした。
  • 相手の話したことを読み取る力をもっと磨きたく思いました。演習をたくさん重ねていきたいです。

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