

「実際にロールプレイで体験する機会が多くあり、自分の問題点がよくわかりました」
(受講生感想)
第二十期不妊ピア・カウンセラー養成講座の『スクーリング2』を開催しました

開催日:2025年10月4日(土)〜5日(日)
URL:https://j-fine.jp/e-pia/
第二十期不妊ピア・カウンセラー養成講座の『スクーリング2』を、10月4日(土)〜5日(日)に開催しました。今回のスクーリングは2回目の開催ということもあり、受講者の皆さんが再会を喜ぶ姿が多く見られました。前回の経験が土台となり、互いに安心感を持って打ち解ける様子が印象的でした。
1日目は、平山史朗先生による、マイクロカウンセリング技法を用いた実践的演習から始まりました。
5人ずつのグループに分かれ、それぞれがクライエント、カウンセラー、聴衆の役割を担いながら、与えられたテーマに沿って対話のロールプレイを行ないました。カウンセラーとして話す時には声が小さくなりがちなので、平山先生より「意識して声を出すように」とのご指導がありました。
演習後は、グループ内および全体での気づきのシェアが行なわれ、クライエントの努力や苦境に寄り添い、具体的なエピソードと感情をていねいに聴く姿勢が大切であることを学びました。
午後は引き続き、ロールプレイ演習を行ないました。クライエントの罪悪感や葛藤に寄り添いながら、「選択のプロセスをともに歩む姿勢の大切さ」や、「不安とともにいられることも援助のひとつ」という考え方が印象的でした。また、クライエント役を体験することで、自分の中の考えを整理し、受け止めてもらえる安心感の重要性を実感する機会となりました。
次に小倉智子先生の講義では、自己開示の目的とタイミングの重要性について学びました。ロールプレイでは、カウンセラー役の方の感想として、自己開示すること自体には抵抗はないものの、「どこまで話すことがクライエントのためになるのか?」という線引きの難しさを実感したようでした。
また、ピア・カウンセラーとして同じ不妊経験を持っていたとしても、感じ方や背景は人それぞれであるため、気持ちに焦点をあてることが必要であることをあらためて認識しました。
難しい事例への対応をテーマとした講義では、小倉先生がピア・カウンセラー役を演じ、受講生がクライエント役となってデモンストレーションが行なわれました。クライエント役を体験した受講生がその時の気持ちや気づきを共有し、他の参加者からも質問や感想が活発に交わされました。
先生による実演を通じて、具体的な言葉の選び方やカウンセリングの流れを目の当たりにすることができ、参加者は深くうなずきながらメモを取るなど、真剣な姿勢で学びに向き合っていました。実践的な学びが詰まった、非常に充実した時間となったことが感じられました。
2日目の午前中は不妊ピア・カウンセラーとして活動している岡田と安井が「オンラインカウンセリング演習」を行ないました。現在、FineではZoomを使用したオンラインカウンセリングを行なっています。オンライン面接・Zoom通話相談・メール相談について、対面で行なうカウンセリングとの違い、メリット、デメリットについて考えました。認定後の活動について受講生からも積極的に質問が出て、実際にどのような活動ができるのかを具体的にイメージできたのではないかと思います。
昼食休憩をはさんで平山史朗先生による「グリーフカウンセリング演習」を行ないました。喪失についての基本的な理解の後、不妊特有の喪失は周囲の人には伝わりづらい「曖昧な喪失」で、社会的に認められていない「公認されない悲嘆」であることから不妊ピア・カウンセラーとしてどのようにグリーフケアを行なうか、その姿勢についても学びました。カウンセラー側も「悲嘆のプロセス」をきちんと理解し、そのプロセスを正しい知識としてクライエントに情報提供することが悲嘆の促進にも役立つことを理解しました。
最後に「カップルカウンセリング演習」を行ないました。実際に平山先生がカウンセラーとしてロールプレイでカップルカウンセリングを行なった45分間の動画を見ながら、カップルカウンセリングの流れを確認することができました。一対一のカウンセリングよりもカウンセラー側の介入が必要になってくるため難しく感じた受講生も多かったようですが、実際の流れを動画で確認できたため、とても勉強になったと多くの受講生から感想が出ました。認定後も研修等でカップルカウンセリングについては学ぶ機会が設けられているので継続的に研鑽を積んでほしいと思います。
2日間の長時間にわたる講座になりましたが、受講生からは「難しかった」「具体的な事例を見てとても勉強になったが、自分の語彙力が足りないことに気づいたのでしっかり復習したい」などの感想がありました。次回スクーリングは2026年1月10日(土)〜11日(日)を予定しています。いよいよ次回のスクーリングは逐語録検討です。引き続き安心して開催できるよう準備を進めたいと思います。
(担当:長谷川・安井 /ピア・カウンセラー養成講座運営事務局)