「保険診療の実際やメリット・デメリットについて、妊孕性の正しい知識を持つことの大切さをあらためて整理することができました」
(参加者の感想)
内容
・不妊当事者による体験談発表 1名
・【講演】「保険診療時代の妊活とのつきあい方」(平山史朗先生)
・不妊ピア・カウンセラー養成講座の説明
開催日:2022年10月30日(日) 10時00分〜12時00分
開催場所:Zoom
参加費 無料
一昨年から引き続き、今年もオンライン(Zoom)で「NPO法人Fineカウンセリング公開講座 保険診療時代の妊活とのつきあい方」を開催し、全国からたくさんの方に参加していただきました。
はじめはFine公認 不妊ピア・カウンセラーによる不妊体験談の発表でした。流産したこと、治療しても望むようにならず、体も心もむしばまれていったこと、仕事との両立、他人の心無い言葉、治療をめぐる夫とのケンカなどが落ち着いて語られました。また、不妊ピア・カウンセラー養成講座で学んだことで、自分がつらかった理由がわかり、気持ちの整理ができたとのことでした。オンラインのため、参加者のリアルな様子はわかりませんが、発表者の思いに共感し、心を動かされたのではないかと思います。参加者からは、つらい思いをしたのは自分だけではなかった、同じ思いを抱えた未来ある他者のためになる活動がしたい、という感想をいただきました。
次は、不妊ピア・カウンセラー養成講座の講師も担当いただいている平山史朗先生による「保険診療時代の妊活とのつきあい方」の講演でした。今年4月から不妊治療に保険診療が適用されましたが、クリニックは、患者が増え、説明することや書類も増えたうえ、保険適用される治療の範囲があいまいで混乱している状況とのことです。不妊治療を受ける患者側は金銭的なハードルは下がったけれど、治療によっては保険が使えず自費診療となるが助成金はないなど、現場の変化をお話ししてくださいました。当事者には、妊孕性や不妊治療の正しい知識や意思決定のスキル、パートナーとのコミュニケーションが必要とのことです。不妊治療は意思決定の連続で、パートナーとの話し合いが大切ですが、なかなか話し合えないという方もいらっしゃいます。治療への思いは違っていて当たり前で、同じ気持ちになることを相手に期待しないこと、また不妊症・不育症の当事者への心理支援として、ピア・カウンセリングが有効だということを解説してくださいました。生殖心理の第一人者である平山先生のお話はとてもわかりやすく、当事者にとって心強いものでした。公開講座に参加された方だけでなく、多くの当事者に聞いていただきたいお話だったと思います。
最後に、Fine不妊ピア・カウンセラー養成講座の説明をFine養成講座事務局より行ないました。質疑応答もあり、養成講座へ関心をもってくださったことをうれしく思いました。
今年もオンラインでの開催となりましたが、全国から多くの方に視聴していただき、時と場所を選ばないオンラインの良さもあらためて感じました。ご参加いただきありがとうございました。
(担当:佐藤美奈子/Fine公認 不妊ピア・カウンセラー)
私は約10年間の不妊体験や不妊ピア・カウンセラーになった経緯などお話しさせていただきました。聞いてくださった方から「これからのために参考になった」との感想もいただき、発表してよかった、と心から感じています。また、体験を話すことは、昔の自分の感情や今の気持ちをしっかりと見つめ直すことにつながりました。このような貴重な機会をいただけたことに感謝しています。
(金澤/Fine公認 不妊ピア・カウンセラー)