私にとって、Fineは「伴走者」。
想像以上に、人生に影響を与える大きなきっかけをいただきました。主張せずについてきてくれて、そっと後押ししてもらっているように感じています。
(落合香代子さん 不妊ピア・カウンセラー養成講座受講生)
- Fineを知ったきっかけは?
- 以前Fineに関わっていたと思われる方の個人サイト。
個人サイト閉鎖時に、Fineが紹介されていました。
- Fineの第一印象は?
- サイト自体は、シンプルで清潔感を感じます。反面、硬派な感じがしました。几帳面な印象で、遊びがないような気がします。
サイトの印象から、スタッフの方も固い、生真面目な方々なのかなと思っていたのですが、もちろん真面目に活動されているのですが、実際はフレンドリーで柔らかく丁寧かつ穏やかな印象です。
でもやっぱり良い意味で硬派な印象もちょっとあるかな、とは思います。
- Fineのこれまでの活動で印象に残っていることは?
- 養成講座の企画、講師、携わるスタッフの方々の姿勢やその内容から、不妊の問題は女性の仕事、暮らし、生き方そのものに関わる問題であり、それはつまり社会問題であるということを改めて認識しました。個人の体験という枠で、語られがちな不妊の問題を社会問題として喚起されている、強いエネルギーを感じています。
- Fineならではの特色(特徴)といえば?
- 当事者団体、当事者への支援、政策への提言。
「現在・過去・未来の不妊体験者を支援」、この言葉はすばらしいな、と思う。
- Fineにふれて、「不妊」や「不妊当事者」のイメージは変わりましたか?
- 「マイノリティ」である、ということを改めて意識しました。しかしそれは、エネルギーとパワーを持つ、マイノリティです。「私はマイノリティである」と無意識下で自覚している人は、不妊に限らず結構いると思います。健康問題、社会問題。つまり、障害、疾患、シングルマザー・ファーザー、セクシャルマイノリティ、文化、既婚、未婚の別など。一見つながりのないマイノリティ同士も、マイノリティという枠組みで見ればマジョリティであるという考えを、講座を経験していく中で持つに至りました。
不妊については、語ることが楽になりました。初潮と閉経に個人差がある程度のことのように今は語ることができるようにも思います。ただ、それは私が子どもを持ったからかもしれませんし、偏見を持つ人にあまり出会ったことがないからかもしれません。治療環境に対しての使命感といいますか、次の世代(この場合当事者としての世代)に自分の経験を繋げていかなくては、という気持ちは更に強くなりました。
- Fineで出会った・知り合った人(会員さん、スタッフ、その他)は、どんなイメージ?
- 「新しい活動を広めていくためには一般に受け入れられなくてはならない、そのためにファッションリーダーが必要」。
これは友人がフェアトレードという言葉を広めようとした時に特に意識したことだそうです、敢えておしゃれにカッコ良く振る舞っていた、と聞きました。
その時松本さんのことも思い出しました。
自分はまったくそういうことはしていないズボラ人間なのですが、そういうことは本当に大切だな、と思います。
- Fine、あるいは不妊に対して思っていることを自由に教えてください。
- Fineの運営について知り、「支援」というものを考えたとき、また、世論を動かす「ムーブメントを作る」ということを考えたとき、少数の人数でも大多数の世論があればムーブメントを作ることができるのだ、という可能性を感じさせてくださいました。少人数で運営されていることに驚きました。
こんなにも不妊のことを家族以外の誰かと語りながら過ごしたことはなかったと思います。ただ、治療の愚痴を語ったりというような経験をしたのではなく、不妊とは自分にとって何か、不妊体験とはなんだったのだろうか、そして自分とは、ということを改めて考える機会を得ました。たくさん語ることで自分の中でも不妊であるということの枠がとれていっているように思います。たくさん思いを語る、共感してもらうことで、外に発信していくことが楽になるのではないかと思っています。
語る場所を持つこと、同じような体験をした仲間を持つことは乗り越えていくためにも重要だと思いました。
- Fineに今後、どんなことを頑張ってほしいことは?
- より積極的に社会へ啓発活動、実践的な活動へと取り組んでいただきたいと思います。例えば、現行の「Fine祭り」は不妊当事者の方へのイベントですが、そのイベントにくる方は、ご自分が不妊であるということを自覚し、かつ行動力のある方だと思うのです。
今後は、不妊、なのかしら…とおぼろげながら思っている当事者であったり、家族であったり、また社会問題として関心を持っているような、当事者ではない層にも訴えていくイベントも必要かと思います。
また、当事者への活動としては、クリニックを中心とした現在のアプローチだけでなく、地方自治体へも積極的にアプローチを試みても良いのでは、と思います。例えば保健所の中で相談窓口を設ける、区民講座などの企画に申し込む、など。
医師だけでなく、看護業界、エンブリオロジストの業界にも患者としての意見を積極的に伝えていっていただきたい、と思います。
特に何よりも女性、当事者でないとしても、出産という取り組みを経験する、経験した、経験するであろう、そして経験しないかもしれない、全ての女性にむけてアピールしたい。女性の中にこそ、知識不足による誤解をしている人がたくさん居ると思う。
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