「初心を思い出させていただき、『仕事をがんばろう!』と思いました」(参加者の感想)
岡山大学生殖補助医療技術教育研究(ART)センター キックオフ公開シンポジウムで講演を行ないました。
開催日:2013年12月22日(日)
担当者の感想
岡山大学ではこのたび、「国家資格化に耐えうる質の高い生殖補助医療技術者を輩出できる教育プログラムの開発」と「国際的生殖補助医療技術教育研究拠点形成」を目的に、関係学部・大学院が連携して、岡山大学生殖補助医療技術教育研究(ART)センターを開設されました。そのキックオフ公開シンポジウムにお招きいただき、講演をさせていただきました。 (詳しいプログラムと概要はこちらをご覧ください。参照URL:http://www.okayama-u.ac.jp/tp/event/event_id1077.html)
そうそうたる顔ぶれの医師の先生方のなかでお話をさせていただくのは、身に余る光栄であるとともに肩の荷も重かったのですが、このような機会に当事者団体へもお声掛けくださったことをとても嬉しく思い、準備を進めました。
ARTセンターは、より質の高い胚培養士(エンブリオロジスト)の教育ができるよう、日本ではじめて医学部と農学部の良いところを組み合わせて作られたものだそうです。
胚培養士とは、不妊治療においてとても重要な役割を担う技術者の皆さんで、主に患者の配偶子(精子、卵子)や胚(受精卵)を取り扱います。精子の洗浄や凍結、顕微授精、胚の凍結や融解など、人工授精や体外受精において必要で重要なプロセスに、深く関わられる方たちです。「たまごのお世話係」という言葉でご自身のお仕事を表現してくださる培養士さんもいらっしゃって、本当にその通りだなぁと思います。いわばARTにおける縁の下の力持ちの存在です。
ふだんあまり表に出ることがないせいか、そのお仕事の重要さにも関わらず、知っている患者がまだまだ多くないのが現状で、以前からとても残念に思っていました。
Fineとしてもその周知の一環として、日本臨床エンブリオロジスト学会様にご協力いただき、「スペシャリストへの相談デー」や「Fine祭り」で、実際に患者と触れ合う機会を作っています。毎回大好評で「ふだん病院では訊けないことを、今日はいろいろ聴けて、本当によかった」「詳しいことがわかり、治療に対する不安がなくなったので、前向きに治療に取り組めそうです」「夫と一緒に相談に行き、たくさんの情報をいただいて、夫が協力的になりました」「親身になって相談に乗ってくださり、嬉しくて涙が出そうになりました」など、喜びの声が届いています。このような取り組みが、全国規模で、また施設単位でもっと広がれば、患者はとても心強いだろうなと思います。講演では、アンケート結果を踏まえた、このようなお話をさせていただきました。
講演終了後、話しかけてきてくださった方々から「初心を思い出しました。この仕事ってやっぱりいいなと思いました。仕事をがんばろうと思います」「涙が出そうになりました」など、嬉しい感想をいただきました。
Fineではこれからも引き続き、「胚培養士(エンブリオロジスト)」の周知、啓発のお手伝いができればと思っています。
(担当:松本亜樹子/Fine スタッフ)