不妊治療に向き合うこと ~社会生活と治療の両立~
お互いが働きやすい職場環境にするために、不妊についての基礎知識や実態、当事者にのしかかる4つの負担について私の不妊体験談やFineが実施したアンケート結果をもとにお話ししました。
主催:名古屋市立高等学校教員組合 女性部
開催日:2022年11月27日(日)
担当者の感想
名古屋市立高等学校教員組合様では、不妊治療に係る職務の免除の制度ができ、その制度を使用しやすくするために、まずは知ることからはじめようと勉強会が開催されました。そこにお招きいただき、仕事と不妊治療の両立についてお話しさせていただきました。私からお伝えした内容は、「不妊治療の基礎知識」「不妊当事者が負担になっていること」「Fineが実施したアンケート結果からわかるサポート制度の実態」「私の不妊体験談」です。
質疑応答では、職場に留まらず生徒さんや周囲の方への伝え方や、不妊治療中の方への配慮の方法について関心を示していただけたことが印象的でした。多様化する職場環境や教育現場の中で、不妊を理解しようとしてくださる皆さまの思いが伝わり、当事者のひとりとしてとてもありがたく感じました。
ご担当の面屋様には大変お世話になりました。このような貴重な機会をいただきましたこと、心から感謝しています。
(担当:渡邉雅代/Fine公認 不妊ピア・カウンセラー)
■今回の講演内容についてご意見、ご感想(抜粋)
・もっと多くの人が人について知るべきだと思いました。知り合いで治療されている方がいます。これからは声掛けや寄り添い方が今までは違う対応ができると思いました。
・過去の自分の不妊治療のことを思い出して、聞いていてあらためて奥さんが大変な思いをしていたんだなと考えさせられました。
・自分には経験がないが周りでは多くなっていることが感じられる。身近に不妊治療を受けている人がいる中でどういう声掛けがオッケーかNGかは最近特に悩んでいるところだったので、治療の詳細や経験談はとても有益でした。
・なんとなく感じていたこと思っていたことを詳しく知ることができました。より誰もが生きやすい、働きやすい環境作りを心がけたいと思います。
・生徒には結婚したからといって子どもを持つ持たないの選択、望んでもできない可能性があることは伝えていますが、今一度しっかりといろいろなことがあると伝えます。
不妊にかかわる多面的な課題についてとても丁寧にお話しいただきました。
■今回の講義を受けて、あなたの中で変化はありましたか?(抜粋)
・相談やカウンセリングということの大切さを再認識しました。大人になってから(30から40代)自分と向き合うこと、自分の考えをチェンジしていくことがとても大変だなと思いますが、それを乗り越えた人の話は貴重だと思います。不妊に限らず人生の問題として。
・周囲に不妊で悩んでいる人がいたらサポートしてあげたいと思いました。私も最初の妊娠が流産でした。生徒たちから早く子ども作ってと言われて流産したと言えずに涙していたものです。当時は産むのが当然だったので。今は世の中が少し変わり、出産に関してはそんなに言わなくなっていると思いますが、人知れず悩みを抱えていたり悲しんでいる方がいるかもしれないことを心に留め気を配りたいと思いました。
・自分の想像以上に多種多様な課題があることに気づきました。身近なところで当事者に協力できることをより意識するようになりました。
・経験したことのない私が、治療を受けている人と話すときに腫れ物に触る的な心境が少なからずあり今回の話を聞いてそれが少しずつ無くなっていく感覚がありありがたかったです。
仕事に余裕を持つことで他の人を手伝えるようになれると思った。なので働き方を見直すきっかけになったと思います。
・不妊についてさまざまなことを知ることができました。費用がかかる時間がかかることぐらいしか理解していなかったのですが、精神的な苦痛や身体の仕組み、パートナーとの温度差、妊娠する確率など大変さを知りました。
■次回はどのようなものを望みますか (抜粋)
・コロナがおさまってきたらぜひ対面でのお話会ができるとうれしいです。
・男性からの体験談や男性側の気持ちや大変さなどの意見がもっと聞きたいと思いました。
・定期的に経験者の声を聞ける機会があればうれしいです。当事者が生活しやすい環境(制度)作りに何が必要か。
・職場でのサポート体制
・教育現場に取り入れることができる内容の検討