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福島県立医科大学医学部 医療入門Ⅰ 医療と社会 臨床倫理

「生殖補助医療をめぐる諸問題について 患者の立場から」

「医師になるうえでの患者と向き合うことの大事さを学ぶことができました」
(参加者の感想より)

主催:公立大学法人 福島県立医科大学

開催日:2014年11月28日(金)

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担当者の感想
昨年に引き続き本年度もお声掛けをいただき、福島県立医科大学で、4年生の皆さんに臨床倫理の講義を実施いたしました。
昨年のアンケートでいただいた感想などを踏まえ、コンセプトは昨年と同様に「現状を知っていただく」「想像力を高めていただく」「患者の視点をプラスしていただく」に絞り、準備を行ないました。限られた時間の中で、お伝えしたいことがたくさんあるので、どうしても進行が駆け足になりがちです。しかし、感じたり考えたりしていただく時間も大切にしたい・・・と思うと、時間配分が一番重要なポイントだなぁと、昨年を思い起こしながら、さらにタイムスケジュールを練り直しました。
講義では、Fineが過去に実施したアンケート結果から患者の現状や気持ちなどをまとめ、特に医師に対する部分をクローズアップしてお伝えしました。
講義の中に、さまざまなケースを想定した「患者の気持ちを考える」という個人ワークの時間を作りました。このワークでは、悩みながらもなんとか書き進められる方と、ペンが全く進まない方に分かれ、「出産など考えたこともないので、まったく思い浮かばない」という受講生の声があがりました。そこで、「出産どころか結婚もまだ考えられない皆さんが、ましてや不妊のことなど想像もつかないのは当然のことです」とお話しし、「わかる・わからない、ではなく、わかろうとしてくださるかどうか、が患者にとっては大切で、患者はそういう部分を敏感に感じると思います」とお伝えしたら、会場のあちこちで深くうなずいていらっしゃる方が多くみられ、納得してくださったようで嬉しく思いました。
最後に提出いただいたアンケートに、ありがたいたくさんの言葉とともに、鋭い意見やコメントもいただき、皆さんがこの講義に真剣に向き合ってくださった結果だなぁと感じました。
また、この講義で不妊治療に興味を持ってくださった方も何名かいらっしゃったようですし、「他の科でも同じように使える考え方だと思います」という意見もいただき、とても嬉しく思いました。これから医師になる皆さんに、実際患者に接する前にお話しする機会をいただけたことは、本当に希少で、ありがたいことです。皆さんが患者の身体だけでなく心にも目を向けてくださる素晴らしいドクターになることを、心より願っています。
(担当:松本亜樹子/Fine スタッフ)


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■今回の講演内容についてご意見、ご感想(抜粋)
・医師側からだけではなく、当事者、患者さん側からのお話を伺う機会はあまりないものなので、貴重な講義でした。
・クイズ形式でわかりやすく、「不妊」が決してまれなものではないことがわかった。
・本日はご講義ありがとうございました。私たちも産婦人科という授業で、不妊や不妊治療については学んでいたのですが、治療費や実際に患者が転院した理由は聞いたことがなかったので、とても興味深く聴けてよかったです。
・患者さんの声、ホンネとしても、講義としても、とても良いお話を聴けました。わかろうとしてくれる姿勢が大事という言葉が印象に残りました。

■今回の講義を受けて、ご自身の中で変化はありましたか?(抜粋)
・もともと産婦人科に少し興味があったのですが、それが強まった気がする。進路に影響があったと思う。
・患者にとってHappyやゴールがそれぞれなので、寄り添える医師をめざしたいなと思った。
・医学部生という、医師でも一般人でもない立場からお話を聴いて、やはり出産という結果を出してあげたいという気持ちもわかる気がします。いっぽう、患者の幸せは何かと考えると、治療結果だけではいけないのだと思いました。
・不妊で悩む方々と一緒にHappyを目指すという医師としての生き方も視野に入れて考えていきたいと思いました。
・不妊治療は妊娠させるのが結果だと思っていたが、妊娠させるのが一番だけど、そうではなくてもゴールはあると知って、一人一人に向き合うのが大切だと思った。

■次回はどのようなものを望まれますか (抜粋)
・実際の体験談などをもし得られたら紹介する講義があってもよいと思う。
・医師が話すとただの技術の講義になってしまうような話を、今回のように患者さん側から聴きたい。
・産婦人科の講義の一つとしてやっても良い。
・具体例が多いとより興味深いものになると思う。


【今回の講義内容についての5段階評価】
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Fine (2014年12月22日)

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