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一般(衛生管理者・労務担当者・産業看護職等職種不問)研修会

キャリアと不妊治療の両立を支える職場環境について

不妊治療への理解を深め、当事者が退職せずに治療と仕事が両立できる職場環境について考えるためのポイントをお話しします。

主催:独立行政法人労働者健康安全機構 愛知産業保健総合支援センター

開催日:2023年10月11日(水)

担当者の感想

独立行政法人労働者健康安全機構 愛知産業保健総合支援センター様では、産業保健活動に関する専門的・実践的な研修を毎月開催されていらっしゃいます。その中の一般(衛生管理者・労務担当者・産業看護職等職種不問)研修会にお声がけいただき、「キャリアと不妊治療の両立を支える職場環境について」というテーマで、登壇させていただきました。
本研修会はオンラインで開催され、30名ほどの方にお申し込みをいただき、研修会後には多くの質問をいただくなど、盛況のうちに終わりました。

私の講演では、はじめに、職場におけるダイバーシティ推進や不妊治療と両立して働くために心理的安全性が求められる背景と、不妊当事者として周囲に不妊治療をしていることを言い出せなかった心理面の背景をお伝えさせていただきました。その後、「不妊の現状」と題して、不妊にまつわる基礎的な知識や、女性側だけでなく男性側にも原因がある不妊の現状についてデータを用いてご説明し、さらに、不妊当事者が抱えやすい4つの負担についてお伝えするとともに、ポジティブな側面として不妊治療を経験することで得られる能力(例えば、治療として何をすべきかを選択していく”決断力”、結果が出なかった時、過度に落ち込まないように自分を奮い立たせる”自己コントロール能力”など)や新しい視点についても、お話ししました。次に、今回のテーマである「キャリアと不妊治療の両立」という観点で、実際の具体的な例を用いて不妊当事者と関わる際のポイント、「仕事と不妊治療の両立のポイント・ダイバーシティ&インクルージョン実現のために」に関して組織における支援のポイント、当事者側が両立させていくための考え方のポイント、制度面で支援があったとしても実際になかなか制度を使うまでに至らない当事者が抱える悩みや苦しみなどを、Fineが実施したアンケートの結果を用いてお伝えさせていただきました。続いて、先進企業での不妊当事者支援の取り組み事例をご紹介しました。最後には、「不妊のみならず、育児や介護なども含め、さまざまな状況を抱えながら働かれる方が増えていますが、そういった場合でも、相手の状況に思いを馳せながら、お互い様の気持ちを持って働ける環境づくりが何より大切になるのではないか、と私たちFineでは考えております」というメッセージで、講演を終わらせていただきました。

研修会の後の質疑応答では、「男性が多い職場ではどのような問題提起・きっかけ作りが良いのか?」、「治療のための休職制度で必要な期間は1年だと短いか?」「労務担当者レベルでもできることはないか?」などの、とても前向きに支援を検討してくださっている様子のご質問をいただき、当事者の一人として、とてもありがたく感じながら回答をさせていただきました。

職場における不妊当事者の支援は、企業トップの方からその重要性についてメッセージを発信していただく等で関わっていただくことや、当事者のニーズに応じた方針や制度設計にはその組織の現状をしっかり把握した上で行なっていただくことが大切だと感じています。
また、企業内だけでの支援にとどまらず、Fineのような当事者支援団体の情報を企業内に向けて発信いただくことなども、当事者が職場で孤立して悩まないように支えていただくことにつながる、今日からできる支援の一つではないかと感じました。

今回お声がけいただきました愛知産業保健総合支援センターの副所長 湯本一史様、取りまとめをしてくださいました労働衛生専門職 澤田様、司会をしてくださいました小林様、そしてご参加くださいました皆さまに、心から感謝を申し上げるとともに、このような機会をいただきましたことを光栄に思います。ありがとうございました。
(担当: 河村 さやか / Fine公認 不妊ピア・カウンセラー)

Fine(2023年11月17日)

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