いのちの授業~“産まれる”の多様性~
多様な生殖(人工授精・体外受精など)・出生(未熟児など)を知ることを通して、妊娠や出産に至るプロセスは多様であることを知り、どの命も平等に尊いことを学び、自己と他者への尊重と寛容性を育むための授業を行ないました
開催日:2024年6月15日(土)
担当者の感想
東京都が主催する「都立高校生の社会的・職業的自立支援教育プログラム事業」に、株式会社ベルタ様とFineが共同で応募し、希望された高校で「いのちの授業」を行なう機会をいただきました。その第一弾として、都立新宿山吹高等学校の生徒の皆様へ90分の授業を行ないました。株式会社ベルタ様は、女性のライフステージに応じた課題に寄り添う美容健康商品等の企画・販売を行なっている企業様で、以前よりFineと一緒にプレコンセプションケアの一環として何かできることはないかと検討を重ねてきた結果、今回の授業の実現に至りました。
当日は、他のクラスにて同時間帯に他企業・他団体様も授業を行なわれる中で、予想を超える50名ほどの生徒の皆様にお越しいただき、このテーマへの関心の高さを感じました。
前半は座学で、Fine理事長の野曽原より、男女の体の仕組みの違いと産まれ方の多様性についてお話ししました。体の仕組みの違いについては、最初に「女性のお腹の中で卵子が1番多いのはどの時期?」などのクイズ形式で、皆様に考えていただくきっかけを作りました。また、生まれ方の多様性については、妊娠や出産に至るプロセスの一環として、不妊治療(人工授精・体外受精・顕微授精)や不育、流産、死産、帝王切開などがあり、自然妊娠が当たり前ではない、妊娠をすれば必ず産まれるわけでもない、自然分娩も当たり前ではない、ということを説明しました。いかに私たちが奇跡的な確率で生まれてきたのかを感じていただけたのではないかと思います。
後半はベルタ様によるグループワークで、4人1組に分かれて、①妊活・不妊、②妊娠中、③出産、④産後・子育て の4つの中から1つを選択し、そのテーマにまつわるニュースや、テーマに必要な時間・お金を調べていただきました。調べたことをポストイットに書き出して模造紙に貼っていただく作業では、教室がシーンと静かになるほど生徒の皆様は熱心に取り組まれていました。見回りながら貼られたポストイットを読ませていただくと、それぞれのテーマについて深く掘り下げて調べてあることが伝わってきました。最後に、いくつかのグループに発表していただいた際にも、積極的に発言があり、いのちの尊さについて向き合っていただいたことが伝わってきて、とても嬉しかったです。
今回の高校生向け授業は、Fineとして初の取り組みでしたが、山吹高等学校の先生方をはじめ、生徒の皆様、および共催の株式会社ベルタ様のお力添えがあって無事に開催することができました。心から感謝を申し上げるとともに、このような機会をいただきましたことを光栄に思います。ありがとうございました。
(担当:河村さやか/Fine公認 不妊ピア・カウンセラー)
・性に関して講話できる社会というのは多様性における重要な段階の一つだと思いました
・妊娠・出産にともなう心の変化が大変そうだなと感じました。互いに寄り添うことが大事であると感じました
・早い段階からいろいろな知識を得ることは人生設計においても大切だなと思いました
・途方もない確率の中、産まれた命がここまで大きく育ち、この人数が今集まれていることに感動した
・命の生まれる確率は非常に低く、親が自分のために生まれる前から今までしてくれたことを心に留めて命を大切にしていきたい
・いろいろな視点を持って周りの人々と関わっていきたいと思いました
・子どもを望む人が子どもをさずかれるよう、技術が進歩していくとよいなと思った。また、見た目ではその人の性格や人生はわからない、ということをいつも覚えておき、人のことを尊重できるようになりたいと思った