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第27回セント・ルカセミナー ―生殖医療・再考―

不妊治療保険適用後の現状と課題~当事者からのメッセージ~

Fineで実施したアンケート調査、オンライン署名からわかった不妊治療保険適用後の現状と課題、当事者の声、不妊治療のやめ時の難しさをお話しし、当事者の環境改善を医療機関と当事者団体、国、企業、地域のすべての人と取り組む意義をお伝えしました。

主催:セント・ルカ産婦人科(大分県大分市)

開催日:2024年6月23日(日)

担当者の感想

「セント・ルカセミナー」が5年ぶりに開催され、Fineにお声掛けいただきました。セミナーには、生殖医療専門の医療機関の講演だけではなく、大学での基礎研究や遺伝カウンセリング、悪性疾患の妊孕性温存など、幅広いテーマのご講演を拝聴することができました。
私からは、「不妊治療保険適用後の現状と課題~当事者からのメッセージ~」と題して講演させていただきました。不妊治療が保険適用になってから、よくなったこと、悪くなったこと、その原因や背景、課題についてお話ししました。また保険適用における回数制限については、若い当事者にとっても治療のカウントダウンは大きなストレスであり、精神的な負担となっていること、制限回数以上の不妊治療は経済的負担も大きくなるため、子どもを諦めざるを得ない状況になっていることを伝えました。

セミナーの中で特に興味を持ったのは、生殖医療で生まれる子どもの長期的な健康面についての調査報告です。妊娠中の経過から出産、そしてその後の子どもの成長に至るまで、長期的な調査が難しい中でも、身体的な健康、心の健康と多方面からの視点で、生殖医療によって生まれた子どもの予後を調査してくださっています。生殖医療の先にも目を向けてくださっている先生方がいらっしゃることに感銘を受けました。

この度は、当事者の声を聞いてくださる機会、そして患者団体としても大変学びになる機会を頂戴しました。セント・ルカ産婦人科院長 宇津宮隆史先生並びに関係者の皆さまに、深く感謝申し上げます。

【第27回セント・ルカセミナープログラム 】
・今なぜ子どもを守るための公的プラットフォームが必要か(慶応義塾大学 名誉教授 吉村泰典先生)
・ARTで出生した子どもの健康~長期予後調査から~(東京医科大学病院産科婦人科学分野 客員教授/Noah ARTクリニック武蔵小杉 統括医師 久慈直昭先生)
・PGTの現状と今後(東京女子医科大学院医学研究科 先端生命医科学系専攻遺伝子医学分野(ゲノム診療科)教授 山本俊至先生
・不妊治療保険適用後の現状と課題~当事者からのメッセージ~(NPO法人Fine理事長 野曽原誉枝)
・生殖医療と遺伝カウンセリング(京都大学医学部附属病院 倫理支援部/遺伝子診療部 特定准教授 小川昌宜先生)
・ライブセルイメージングによる胚の質の評価~14年間の進捗~(近畿大学生物理工学部教授 山縣一夫先生)
・子宮悪性疾患に対する縮小手術及び妊孕性温存手術について(大分大学医学部産科婦人科学講座 教授 小林栄仁先生)

(担当: 野曽原誉枝 / Fine スタッフ)

Fine(2024年7月31日)

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