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国政への働きかけ

参院選2025 政党公開アンケート【不妊・不育症患者への政策について】

Fineでは、第27回参議院議員通常選挙において、各政党に対して公開アンケートを実施しました。
今回も、「自由民主党」「立憲民主党」「公明党」「日本共産党」「日本維新の会」「国民民主党」「れいわ新選組」「社会民主党」「参政党」「国民保守党」「みんなでつくる党」(順不同・敬称略)にお聞きしましたので、そのご回答を公開いたします。


<設問と回答> (順不同・敬称略) 
2025年7月14日現在の回答状況


【第1部】現行制度の評価

Q1 不妊症・不育症治療と仕事の両立支援(休暇・時間休暇・短時間勤務・リモートなど)に ついて、現状の政策で十分だとお考えですか?

  1.十分 2.やや不足 3.かなり不足 4.全く不足


【自由民主党】

「2、やや不足」理由等:不妊治療と仕事との両立を支援する企業内制度の導入に向けたマニュアル等の作成や、両立支援等助成金の支給などの施策に取り組んでいるところですが、企業や国民の方々に向けた更なる施策の周知など、不妊治療を受けながら安心して働き続けられる職場環境の整備に向け、引き続き取り組んでいく必要があると考えております。

【公明党】

「2、やや不足」理由等:不妊治療と仕事の両立をしやすい職場環境整備を進めるため、事業主・人事部門向けのマニュアルや労働者向けのハンドブックの作成や、不妊治療のために利用可能な休暇制度の導入等の環境整備等に取り組む中小企業事業主への助成金の支給等を実施しています。こうした取組の周知、活用促進等を今後も継続して実施していく必要があると考えています。

【立憲民主党】

「3、かなり不足」理由等:不妊治療休暇の導入等の制度の整備、治療に関する職場のハラスメントの防止や、職場内の不妊治療への理解などが不十分であるため。

【日本共産党】

「3、かなり不足」理由等:当事者の皆さんの粘り強い働きかけによって、政府や自治体も両立支援のためのさまざまな施策や啓発をおこない、前進してきたと思います。それでも実情は支援を行っている企業がまだ4分の1しかなく、仕事と両立できない人が4人に1人にのぼっています。有給休暇や短時間勤務、テレワーク、通院制度などをまったく利用していない人も4割にのぼります(いずれも厚労省調査)。たとえ制度はあっても、人手不足などの中で「(適切なタイミングがきても)急に休めない」「通院しずらい」などの実態が広くあります。啓発にとどまらない具体的支援と、社会全体の理解がもっと進む必要があると思います。

【日本維新の会】

「3、かなり不足」理由等:治療の増加につながる施策にすべき。

【国民民主党】(未回答)
【れいわ新選組】

「4、全く不足」理由:厚労省の2024年調査では、不妊治療の経験者が仕事との両立できず。退職・治療中止・働き方を変えた人は26%。貴団体の調査でも4割が働き方を変えざるを得なかったと出ています。厚労省調査では、不妊治療中の従業員に対する支援は3割にとどまっている。もっとコロナ禍時に活用されたリモートなど柔軟な勤務形態への支援が必要。不妊治療を公にしやすい環境づくりや啓発も重要。

【社会民主党】(未回答)
【参政党】(未回答)
【国民保守党】(未回答)
【みんなでつくる党】(未回答)

Q2 不妊治療が保険適用されましたが、経済的支援(保険適用後の自己負担・先進医療・治療 費助成等)について、現状の政策で十分だとお考えですか?

  1.十分 2.やや不足 3.かなり不足 4.全く不足


【自由民主党】

「1、十分」理由等:不妊治療は令和4年から保険適用されています。現時点で保険適用となっていない技術についても、先進医療として認められたものは保険診療と併用が可能です。医療保険制度では、高額療養費制度において負担軽減が図られています。

【公明党】

「2、やや不足」理由等:不妊治療の保険適用については、実施状況を把握するとともに、治療の質の低下を招くことがないよう不断に検討を行い、必要な制度改正をすることが重要だと考えます。また、不妊治療の負担軽減のため、有効性と安全性等が確認された先進医療の保険適用を図るとともに、必要に応じて、先進医療への新たな対象の追加も検討が必要です。

【立憲民主党】

「3、かなり不足」理由等:全ての検査と治療(評価療養・患者申出療養・選定療養などを含む)について、保険適用または保険診療との併用が認められるよう、適用範囲を拡大すべきです。

【日本共産党】

「3、かなり不足」理由等:保険適用は大きな前進であり、ここにも皆さんの運動の大きな反映があると思います。しかしもともと不妊治療は高額で、保険適用後も経済的負担は重く、さらに負担を軽減するべきです。医療技術の進歩に応じた保険適用範囲の拡大も必要です。保険適用と同時に自治体からの助成金が廃止されましたが、地方の実情もふまえた新たな助成金制度も必要だと考えます。

【日本維新の会】

「3、かなり不足」理由等:負担が増えたケースもあり、最適ではない。

【国民民主党】(未回答)
【れいわ新選組】

「4、全く不足」理由:保険適用対象になったとはいえ、@年齢制限、A回数制限、B費用負担の問題は解決していない。多くの自治体が保険適用の上乗せ支援を行っていることを考えても、自己負担をなくすための国が一律に支援する必要がある。

【社会民主党】(未回答)
【参政党】(未回答)
【国民保守党】(未回答)
【みんなでつくる党】(未回答)

Q3 心理・社会的支援(カウンセリングや相談窓口設置等)について、現状の政策で十分だと お考えですか?

  1.十分 2.やや不足 3.かなり不足 4.全く不足


【自由民主党】

「1、十分」理由等:「性と健康の相談センター事業」(こども家庭庁が担当)において、◆各都道府県等において不妊症・不育症の悩みを有する夫婦等への専門的な相談指導や、不妊治療と仕事の両立に関する相談対応、治療に関する情報提供等を行う拠点の整備 ◆不妊症・不育症患者等の支援のためのネットワークの形成 等を通して、自治体の取組を支援しているほか、不妊症・不育症ピアサポーターの育成研修や医療従事者に対する研修も行っております。

【公明党】

「2、やや不足」理由等:こども家庭庁所管の「性と健康の相談センター事業」において、 各都道府県等において不妊症・不育症の悩みを有する夫婦等への専門的な相談指導や、不妊治療と仕事の両立に関する相談対応、治療に関する情報提供等を行う拠点の整備、また、不妊症・不育症患者等の支援のためのネットワークの形成等を通して、自治体の取組を支援しているほか、不妊症・不育症ピアサポーターの育成研修や医療従事者に対する研修も行っています。そのうえで、このような制度がより活用されるような周知広報をするとともに、引き続き、当事者の皆様のご意見を聞きながら、必要に応じた取組を進めていくべきと考えています。

【立憲民主党】

「2、やや不足」理由等:個人の意思を尊重した不妊に関するカウンセリング体制を強化すべきです。また、職場内の不妊治療への理解を促進するため、各企業内の相談支援員の創設を後押ししていくことも必要です。

【日本共産党】

「3、かなり不足」理由等:不妊症、不育症は、精神的にも、家族との関係、仕事との両立の問題でも一人ひとりに多様な悩み、思いがあり、それに寄り添い伴走するアドバイス、支援が不可欠です。女性の不妊専門相談センターの整備・拡充、リプロダクティブ・ヘルス&ライツにもとづいて女性の自己決定権を保障する立場からのカウンセリング体制の拡充が大切だと考えます。また、皆さんがとりくんでこられたピア・カウンセリングへの公的支援も大事だと考えます。

【日本維新の会】

「3、かなり不足」理由等:知識不足をやさしく補う支援を充実させるべき。

【国民民主党】(未回答)
【れいわ新選組】

「4、全く不足」理由:保険適用などによって不妊治療の受診者が増加し、初診待ちの夫婦が増えていると報じられている。体外受精には、専門的な技能を要する「胚培養士」が重要だが、その都市部への偏在という地域格差や非正規雇用であるなどの問題もある。国家資格にして国が支援しやすいようにすべき。

【社会民主党】(未回答)
【参政党】(未回答)
【国民保守党】(未回答)
【みんなでつくる党】(未回答)

Q4 国民への啓発・教育(学校・地域・メディアでの情報提供)について、現状の政策で十分 だとお考えですか?

  1.十分 2.やや不足 3.かなり不足 4.全く不足


【自由民主党】

「1、十分」理由等:ウェブサイト「みんなで知ろう、不妊症不育症のこと」を開設し、不妊症・不育症に関する正しい知識の普及啓発を行っているほか、不妊症に悩む夫婦やパートナーが安心して不妊治療を行えるよう社会全体で不妊の正しい知識を学び、理解ある社会の実現を目指すべく、令和7年2月22日「不妊症・不育症のことオンラインフォーラム」を開催するなどしております。

【公明党】

「2、やや不足」理由等:ウェブサイト「みんなで知ろう、不妊症不育症のこと」を開設し、不妊症・不育症に関する正しい知識の普及啓発を行っているほか、不妊症に悩む夫婦やパートナーが安心して不妊治療を行えるよう社会全体で不妊の正しい知識を学び、理解ある社会の実現を目指すべく、令和7年2月22日には「不妊症・不育症のことオンラインフォーラム」が開催されています。引き続き、不妊症・不育症治療等についての正しい理解を促進するため、取組を進めてまいります。

【立憲民主党】

「3、かなり不足」理由等:包括的性教育(ジェンダー平等や性の多様性を含む人権尊重を基盤とした性教育)を充実させ、男女ともに性と生殖を含む自らの身体に関する健全な理解の推進を図ることが大事です。不妊に対する啓発教育については、慎重な配慮のもとで進めるべきです。

【日本共産党】

「3、かなり不足」理由等:不妊や不妊治療、また男性不妊についても、当事者の皆さんの発信も大きな力となって社会に理解を広げてきたと思います。しかし日本では生殖医療について多様な家族のあり方を認め合う課題が遅れたままです。包括的性教育とともにそうした生殖医療や多様な家族のあり方について、広く啓発していくことが求められると考えます。

【日本維新の会】

「4、全く不足」理由等:これから母となる世代に重点を置いた啓発が必要。

【国民民主党】(未回答)
【れいわ新選組】

「4、全く不足」理由:海外では不妊治療は企業の福利厚生として位置づけられており、日本でも当事者以外に対して、その理解を醸成していく事が重要。生殖補助医療については生まれた子の「出自を知る権利」の保障や、法律婚以外のカップルが使う際の法整備を進めるべきと考えます。

【社会民主党】(未回答)
【参政党】(未回答)
【国民保守党】(未回答)
【みんなでつくる党】(未回答)

【第2部】党の政策方針と優先課題

Q5、不妊・不育症や家族形成の多様化に関する政策をマニフェスト等に記載していますか。

  1.記載あり(概要・URL等記載) 2.検討中 3.記載なし


【自由民主党】

「1、記載あり」:「総合政策集2025 J-ファイル」に記載あり。 354 総合的な少子化対策の推進 356 妊娠から子育てまで切れ目のない家族支援 https://storage2.jimin.jp/pdf/pamphlet/202507_j-file_pamphlet.pdf

【公明党】

「1、記載あり」:以下のURLに、不妊・不育症や里親・特別養子縁組などに関する政策を掲載しています。https://www.komei.or.jp/content/p433836/#family-support
引き続き、不妊・不育症への支援に取り組みます。

【立憲民主党】

「1、記載あり」【立憲民主党政策集2025】
https://cdp-japan.jp/visions/policies2025/21 「厚生労働」の中の「不妊治療」
◆望む人が最良の不妊治療を受けられるように、不妊治療の保険適用を拡充します。全ての検査と治療(評価療養・患者申出療養・選定療養などを含む)について、保険適用または保険診療との併用が認められるよう、適用範囲を拡大します。 ◆不妊治療の現行の年齢制限について検討を行います。 ◆不妊治療と仕事が両立できる環境の整備を図るとともに、治療に応じて男女ともに利用できる不妊治療休暇を導入します。治療に関する職場のハラスメントを防止し、職場内の不妊治療への理解を促進するため、各企業内の相談支援員の創設を後押しします。 ◆個人の意思を尊重した不妊に関するカウンセリング体制を強化します。◆不妊治療に対する社会の理解を深めるため、啓発に取り組みます。 ◆男性不妊についても、カウンセリングを含めた環境を整備します。精子濃度の低下と不妊の関係性など、男性不妊の要因について調査を進め、男性の不妊治療の適用範囲を拡大します。 ◆包括的性教育(ジェンダー平等や性の多様性を含む人権尊重を基盤とした性教育)を充実させ、男女ともに性と生殖を含む自らの身体に関する健全な理解の推進を図ります。不妊に対する啓発教育について、慎重な配慮のもとで進めます。

【日本共産党】

「1、記載あり」:参院選・分野別政策「13、リプロダクティブ・ヘルス&ライツ」https://www.jcp.or.jp/web_policy/11697.html

【日本維新の会】

「1、記載あり」:維新八策2025個別政策集 403,404 
https://o-ishin.jp/sangiin2025/manifest/all/ 

【国民民主党】(未回答)
【れいわ新選組】

「1、記載あり」:基本政策に記載しています。◆子どもを持つことが経済的負担とならないよう、すべての人が不妊治療の選択ができる環境を整備する ◆出産費用や出産前後の支援をさらに拡充する ◆出産時の麻酔利用を保険適用とし、無痛分娩が選択肢のひとつとなるようにする
https://reiwa-shinsengumi.com/policy

【社会民主党】(未回答)
【参政党】(未回答)
【国民保守党】(未回答)
【みんなでつくる党】(未回答)

Q6 次期国会で優先的に取り組む課題をお答えください。(複数回答可)

  1.治療と仕事の両立支援制度整備の法制化
  2.不妊症治療費の公費拡充
  3.不育症治療費の公費拡充
  4.先進医療・研究開発助成
  5.第三者提供・代理出産等の法整備
  6.養子縁組・里親支援強化
  7.当事者団体との協働枠設置
  その他


【自由民主党】 

その他---不妊症や不育症の治療費の在り方などについて検討し、適切に対応します。

【公明党】

4,先進医療・研究開発助成、 5、第三者提供・代理出産等の法整備

【立憲民主党】

その他…不妊治療の保険適用の拡充、治療に応じて男女ともに利用できる不妊治療休暇の導入

【日本共産党】

1,2,3,4,5,6,7,その他:5について、日本共産党は2025年通常国会に提出された特定生殖補助医療法案については、生れてきた子どもが成人するまでドナーに関する情報を知ることができず、得られる情報も「身長」「血液型」「年齢」等に限定されるなど出自を知る権利を保障するものといえないこと、また、法律婚カップル以外には認められず罰則規定が設けられるという問題もあり、反対する立場でのぞみました。こうした問題への法整備そのものは必要だと考えています。

【日本維新の会】

2、不妊症治療費の公費拡充, 3、不育症治療費の公費拡充, 5、第三者提供・代理出産等の法整備, 6、養子縁組・里親支援強化, 不妊治療分野における混合治療の解禁

【国民民主党】(未回答)
【れいわ新選組】

1、治療と仕事の両立支援制度整備の法制化, 2、不妊症治療費の公費拡充, 3、不育症治療費の公費拡充, 6、養子縁組・里親支援強化

【社会民主党】(未回答)
【参政党】(未回答)
【国民保守党】(未回答)
【みんなでつくる党】(未回答)

【第3部】具体策への立場
政策推進の立場をお示しください。

Q7、治療成績・費用等の情報公開を医療機関に義務付ける

  1.積極的に推進 2.条件付きで推進 3.現状維持 4.不要


【自由民主党】

3、現状維持(◎補足あり)

【公明党】

2、条件付きで推進

【立憲民主党】

2、条件付きで推進

【日本共産党】

1、積極的に推進

【日本維新の会】

2、条件付きで推進

【国民民主党】(未回答)
【れいわ新選組】

1、積極的に推進

【社会民主党】(未回答)
【参政党】(未回答)
【国民保守党】(未回答)
【みんなでつくる党】(未回答)
◎補足…自由民主党:治療成績(妊娠率、出産率等)については、その解釈が難しく、公表を求めることで医療機関による患者の選別につながる可能性があるため、情報公開しておりません。 治療実績(採卵回数、胚移植回数等)については、医療機関情報の登録について協力を依頼しており、この事業に協力することは、生殖補助医療管理料等の施設基準となっております。

Q8、遠方治療者への交通費・宿泊費助成など地方格差是正策

  1.積極的に推進 2.条件付きで推進 3.現状維持 4.不要


【自由民主党】

3、現状維持(◎補足あり)

【公明党】

1、積極的に推進

【立憲民主党】

2、条件付きで推進

【日本共産党】

1、積極的に推進

【日本維新の会】

2、条件付きで推進

【国民民主党】(未回答)
【れいわ新選組】

1、積極的に推進

【社会民主党】(未回答)
【参政党】(未回答)
【国民保守党】(未回答)
【みんなでつくる党】(未回答)
◎補足…自由民主党:こども家庭庁において、都道府県や治療内容、土日診療の有無等の条件を入れて不妊治療を実施している医療機関が検索できる特設のウェブサイトを開設しています。また、厚生労働省において、◆休暇制度等の不妊治療と仕事を両立しやすい職場環境の整備に取り組む中小事業主に対する助成や、◆事業主・人事部門向けのマニュアルや労働者向けのハンドブックの作成、等の取組を進めていると承知しており、こども家庭庁としてもウェブサイトで周知を行うなど、連携して周知啓発に努めているところです。引き続き関係省庁と連携し、こうした取組を通じて、地方に暮らす方や、働きながら不妊治療を希望される方への支援を図ってまいります。

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