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第17回 セント・ルカセミナー

「不妊治療患者の負担を考える~当事者へのアンケートから~」

「不妊治療の経済的負担のアンケート」と「医療施設とのコミュニケーションアンケート」から、寄せられたコメントやその詳細を紹介しました。

主催:セント・ルカ産婦人科(大分県大分市) 

開催日:2010年6月6日(日)

担当者の感想

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セント・ルカ産婦人科の開院記念行事として毎年開催されている「セント・ルカセミナー」。Fineはこの数年お声掛けいただき、医療従事者の皆さんへ、患者の立場からのさまざまなお話をさせていただいています。

セント・ルカさんは、現在、新しい施設を駅前に建設中だそうで、このクリニックで実施されるセミナーは今年が最後とのことで、今年も県内外から多くの医療従事者の方が参加なさっていました。
著名な先生方の素晴らしいご講演が続く中、お話しさせていただくのは恐縮の至りであり、毎回緊張してしまいます。

今回私は、「不妊治療の経済的負担のアンケート」と「医療施設とのコミュニケーションアンケート」から、寄せられたコメントやその詳細をご紹介したのですが、発表の後、多数の参加者の皆さんから、さまざまなご質問をいただきました。
皆さんが、日頃から、とても熱心に、真摯に、患者への医療の在り方を考えてくださっていることが、ひしひしと伝わってきて、とても嬉しく頼もしく思いました。

日頃の業務に加えて、毎年このようなセミナーを開催されるのは、数カ月前からのご準備からも含めて、とても大変だと思います。けれども、スタッフの皆さんはいつも笑顔であたたかく、ホスピタリティあふれた対応をなさっているのが印象的でした。
他の先生がたのご講演はどれも貴重で、なかなか聞く機会のないものばかりであり、参加させていただいて、たいへん勉強になりました。
(担当:松本亜樹子/Fineスタッフ)

今回の講義内容についてご意見、ご感想(抜粋)
・ 医療従事者がしていることが、本当に患者のためになっているかを考えさせられた。
・ 患者様の話、伝えたいことを聞くという大切さを、あらためて学ぶことができました。
・ アンケートからキーワードを抽出している点が、とてもわかりやすくて良かった。
・ 患者さんの言葉をダイレクトに聞くと、「?」と思ってしまう事が多いが、患者団体がアンケートを取って、少数派の意見ではなく、大きな数字になってあらわされているのを見ると、患者さんに対する気持ちが変化してくるのを感じた。お互いの理解と歩みよりが大切なのかと感じました。すばらしい内容でした。
・ 不妊患者の立場からの話を聞けたのが良かった。
・ 患者さんに対する精神的負担を軽減する為に、コミュニケーションを上手に取りたい、努力したいと思いました。とても勉強になりました。
・ 各スタッフに求められている事が、患者さんの声として知ることが出来て本当に勉強になりました。また、これから知識を増やして患者さんの気持ちに応えられるように努めていきたいと思いました。
・ 患者さんが治療に対して、また治療する施設に対して、どのような考えを持っているのか聞くことができて興味深かったです。当院の患者さん以外の方の意見を聞いて、やはり治療されている方の悩みは共通しているんだということがわかりました。
・ 普段お伺いできない内容でしたので、とても勉強になりました。私は臨床心理士ですが、クリニックさんの求めるもの、また企業が求める役割の間で何ができるのか、と考えさせられました。まずは、クリニックさん側に近い存在として、様々な言葉、気持ちの橋渡しを行なっていければと思います。
・ アンケート結果は、とても貴重な患者の声を反映するものであり、その通りだと思うものや、意外とも思える結果もあり、参考になりました。

今回の講義を受けて、あなたの中で何か変化はありましたか?(抜粋)
・ 治療の決定権が患者自身に任せられるくらい勉強されていると、とても良い方向に不妊治療が変わってくるのではないかと思います。
・ 患者さんがクリニック(医療者や施設)に抱く感情が、単なる不満なのか、改善すべき事柄なのか判断が難しいことがある。改善すべきことでも、どうにもならない様なこともあるし、やはり難しい問題だと思う。
・ 患者さんの要望に全て応える必要があるわけではないとの答えが共感できました。
・ どれだけ患者さんに金銭的に負担があり、ストレスや不安もあるかを目の当たりにして、分かっていたつもりではありましたが、また驚きもありました。患者さんからの苦情を苦情と思わずに意見として捉えられるようになりたいと思います。
・ 日々の業務に追われていると、ひとりひとりの卵ということを忘れてはいけないが、結果を一番に考えてしまいます。大切なヒトになる前の卵という事を忘れず、業務に励みたいです。患者様のことを一番に考えられる培養士になります。
・ 医療従事者が考えている患者の気持ち・不安・願望が違っている。このアンケートを元にして、明日治療に役立てたいと思います。
・ 日頃あまり患者さんと関わらない部署にいますが、関わりをもつ際には、患者さんに不快な気持を与えないよう、態度や言葉遣いなど気を配りたいと思いました。
・ カウンセリングに求められるものの曖昧さ(多様さ)に納得がいきました。まず、何に困っているかを伺うことも大切だと思いました。というのも、多額の治療費に加え、カウンセリング料金を払うことへの怒りも出やすいと考えます。長くゆっくり考えるというスタイルが必ずしもgoodではないということが分かりました。
・ 心理の人間として、カウンセリングが求められていることを嬉しく思い、また、ただ聞くだけではない部分も求められている気がして、色々な知識が必要だと感じました

もし、次回、このような講義があるとしたら、どのようなものを望みますか?(抜粋)
・ 常に最新の患者調査結果を知りたい。対象別(治療内容や、年齢etc)の分析結果も知りたい。
・ こちら(医療者側)からPT(患者)にお願いする→これを医療者とPTとお互いに知り合い、同じ目標に向かって協力していけたら良いと考えます。
・ 患者サイドから病院側への要望を具体的に聞いてみたい。
・ 凍結保存中の精子や胚に対する意識を聞いてみたい。
質疑応答の時にも話されていましたが、施設で努力していても、その努力が患者さんには伝わっていないということもあるので、どのようにすればそれを埋めることができるのか、患者さんとよりよい関係を築くためにはどのようにすれば良いのか、上手くいっている事例などを教えていただけるような講演があると良いと思います。

参加者へのアンケート(今回の講義内容についての5段階評価)

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Fine (2010年6月 5日)

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