「当事者性を統合した心理士の家族支援~不妊体験を資源にかえて~」
ピア・カウンセリングと心理カウンセリング、それぞれの特徴とそのリスクを踏まえ、不妊当事者体験を資源にした家族支援について、精神科及び生殖医療心理士の立場から講演しました。
開催日:2011年6月19日(日)
担当者の感想
第18回医療者向けセミナー「セント・ルカセミナー」が、約70名の参加者を迎え、JR大分駅の至近距離に竣工した新しい施設内で開催されました。
セント・ルカ産婦人科院長 宇津宮隆史先生が施設移転を考えはじめた原点が「『もっと通院に便利な所に(施設が)あればいいのに・・』通院する患者のこの“ひとこと”にある」との言葉が印象に残ります。
通院患者から聞こえる小さなつぶやきに、お忙しいなか常に耳を傾けておられる先生がここにもいらっしゃるのだ、と同じ不妊治療体験をもつ者として、とてもうれしく思いました。
セミナーでは、JISARTや国内の大学研究機関からご出席されたご高名な先生方のご講演が続きました。いずれの内容もとても貴重で、当事者として「ああ、こんなにたくさんの先生方が日夜、各専門分野で生殖補助医療研究に研鑽を積んでくださっているのだなぁ」と感無量な時間を過ごしました。途中「当事者性を統合した心理士の家族支援~不妊体験を資源にかえて~」のタイトルで1時間ほどの講演・質疑応答の貴重な時間をいただき、熱心に耳を傾けておられた先生方より、励ましや共感のお言葉をたくさん頂戴しました。関東から来られた心理士の先生には、具体的な当事者支援の技法をご質問いただき、医療者の方々が私たち患者の声から支援策のヒントを得ようと努力されていることを知り、感動さえ覚えたほどです。通院中には気づかなかった、医療者の先生方のさまざまな“あつい想い”を身近に経験したことで、「不妊という体験が、今も私に与えてくれるよろこびと出会い」を再確認する好機となりました。
また、終始お気遣いいただき、いつもそばで優しいお心配りをいただいた心理士の上野さま、スタッフの皆さま、そして、この出会いを与えてくださった院長の宇津宮先生に、こころよりお礼申し上げます。
(担当:あらきあきこ/Fineメンバー)