「不妊体験者の声を聴く」
不妊・生殖の問題にかかわる心理援助のスペシャリストを養成する講座で、不妊の体験者として心理の専門家に求めていることをお話ししました。
開催日:2013年9月15日(日)
担当者の感想
生殖心理カウンセラー養成講座では、毎回、「不妊体験者の声を聴く」というテーマで、Fineにお声掛けいただき、不妊当事者が体験談をお話しさせていただいています。
以前は、生殖医療の現場で活躍できるような専門のスペシャリストのための講座でしたが、多くの心理臨床家の皆さんから、「不妊の専門になるわけではないが、不妊を体験したクライエントとの臨床のコツを知りたい」といったご要望が寄せられるようになってきたため、2011年度からは不妊体験者の心理援助と生殖医学の基礎知識を学ぶコースを新設されたそうです。
今回は、基礎コースで学ぶ皆さんに、Fineと不妊ピア・カウンセラーとしての活動の紹介と、私自身の不妊体験談をお話ししました。
内容は、ピア・カウンセラーの電話相談の利用状況、グループカウンセリングの「Fineトパーズ」で、毎回設定するテーマについてなどで、不妊で悩んでいる方がどのような心理的な援助を求めているのかについてです。
私も過去に3回、こちらの講座で講義をさせていただいていますが、今回の受講者は、実際に不妊当事者と関わっているカウンセラーの方が少なかったため、前回と質問の傾向が違っていて私自身とても勉強になりました。
心理士や心理士を目指している方たちは、不妊当事者が、自分は不妊かもしれないと思い始めてから、実際に通院して検査や治療を受けたり、治療の終結を考えたりする過程でのこころの変化について知りたいと思っているように感じました。担当者の方からは、「受講者の皆さんにもとても興味深いお話だったようです」という言葉をいただきました。
不妊で悩んでいる方が、不妊治療を行なっている施設以外の場所でも、安心して心理カウンセリングが受けられるように、受講者の門戸が広がったことは、とても意義のあることだと感じました。
このような場で、不妊当事者の生の声を聴いていただける機会をつくっていただけたことに感謝しています。ありがとうございました。
(担当:辻英美/Fine公認ピア・カウンセラー)