「不妊当事者が求める支援」
不妊・不育に悩む方の支援をしている保健・医療従事者の皆さまに、自分自身の体験とピア・カウンセラーの活動の中から、不妊当事者がどのような支援を求めているかについてお話しさせていただきました。
開催日:2014年1月21日(火)
担当者の感想
千葉県では2年前から、不妊・不育の相談に関わっている保健・医療従事者の皆さまを対象にした研修会を開催されているそうです。
この研修会にFine公認ピア・カウンセラーとしてお話しできる機会をいただき、「不妊当事者が求める支援」というテーマで講演させていただきました。
最初の講演が私でしたのでとても緊張しましたが、自分自身の体験やピア・カウンセラーとして活動している「電話相談」や「グループカウンセリング」などから不妊当事者が感じていること、どのような心理的なサポートを求めているかについてお話ししました。
また千葉県では昨年10月から各不妊相談センターで不育症の相談対応が行なわれているそうですが、私自身が不育症で悩んだ体験もあり、当時つらいと感じていたこと、どんなことに傷ついたかなどについてもお話しさせていただきました。
大きくうなずきながら熱心にお話を聞いてくださる方もいらっしゃって、参加された皆さまが日頃から当事者に真摯に向き合ってくださっている様子が感じられました。
次に高橋ウイメンズクリニックの高橋敬一院長先生が「不妊症及び不育症」についてご講演されました。不妊症増加の原因と治療法についての詳しい説明や卵子の老化についてなど、とてもわかりやすく軽快にお話しされ、ピア・カウンセラーとして活動している私にとっても、たいへん有意義な時間になりました。
自分が住んでいる地域で不妊・不育症について相談できる体制が整っていることは、不妊当事者にとって大変心強くありがたいことだと感じました。また行政の立場で不妊相談に携わっている皆さまに、当事者の一人としてお話をさせていただく貴重な機会を頂戴し、感謝申し上げます。
ありがとうございました。
(担当:安井幹子/Fine公認ピア・カウンセラー)
■今回の講演内容についてご意見、ご感想(抜粋)
・当事者にしかわからない気持ち、感情の部分が聞けて良かった。
・不妊治療をしている方は孤立気味になってしまうことを学んだ。
・自助団体と行政、医療者が手を取り合って不妊治療のサポートをしていくことの大切さを学ぶことができました。
・一人一人にかける時間が短く流れ作業になっていることがあるので、そのことで傷ついていることを理解していきたい。二人目以降の不妊の患者さんが抱えている悩みを知ることができた。
・体験談を交えながらお話を聞けて良かった。妊娠初期の不安を聞く機会が多いので、より想像が深まった。
■今回の講義を受けて、ご自身の中で変化はありましたか?(抜粋)
・自分の考えだけを押し付けてはいけないと思いました。
・当事者に寄り添う気持ちは大切だという思いを新たにしました。
・当事者が何を求めているのかがわかり情報の提供だけではなく心のケアを大切にしていきたい。
・なぐさめよりも共感、ねぎらいを大切にしたいと思いました。
・何気なく気遣ったつもりで言った言葉で当事者を傷つけてしまうことがあると気づき、少しでも心の負担を軽くできるよう寄り添った関わりを意識していきたいと思った。
・治療で授かったあとにも不妊治療の影響があることを知ったので、その人の人生に目を向けて支援できればと思いました。
■次回はどのようなものを望まれますか (抜粋)
・若い人(学生)にもぜひ聞いてほしい。
・医療従事者に要求している内容についてもう少し聞ければと思う。
・悩みながらも妊娠、出産できた方の子育ての悩みなどについて。
・今回のように体験談。
・ピアカウンセリングの例示など。
【今回の講義内容についての5段階評価】