「日本の患者の観点から」
第5回アジア太平洋生殖医学会(ASPIRE)の患者セッションで日本の患者の立場から、Fineが実施したアンケート結果より、病院選びと転院に関する発表をしました。
主催:ASPIRE(Asia Pacific Initiative on Reproduction(アジア太平洋生殖医学会))
協力:iCSi(International Consumer Support for Infertility(国際不妊患者団体連合)) AccessAustralia
開催日:2014年4月4日(金)~6日(日)(Fineの発表は5日(土))
担当者の感想
今回のアジア太平洋生殖医学会(ASPIRE)の患者セッションは「患者を中心としたARTの将来」をテーマとし、1時間半の枠の中でドクターと患者を合わせて4人が発表を行ないました。
国際学会では、通常2、3日にわたりいくつかの講堂に分かれ同時進行でさまざまな発表や講演が行なわれています。
私が参加したのはその中の一つのプログラムになります。最初の講演者は日本の森本義晴先生(IVF JAPAN CEO)で、ご自身のクリニックに設立された総合医療部門の紹介とともに、患者の妊娠体質を高めるための統合的、多角的アプローチについてお話しされました。
次に米国のDr. Alan Trounsonからは、発展途上国の資金などさまざまな制約のある医療の現場での不妊治療についての発表がありました。
さらに患者代表から、Fineのオーストラリアにおける姉妹団体ともいうべきACCESSのDavid Rawlingsさんが、男性不妊において男性が直面する身体的、精神的な辛さとそれを理解する重要さについて、時に笑いを交えながらお話しされました。
最後にもう一人の患者代表として私から、2012年にFineが実施したアンケート結果に基づき、日本の不妊治療の現状、患者の病院選びのための情報収集の方法や傾向を報告しました。加えて患者の声を医療の質の向上につなげるためのシステムとしてのJISART施設認定審査を紹介し、患者の求めるものを患者のために日々努力しているクリニックに伝える大切さなど、約15分お話しさせていただきました。
全員の発表後には司会者を含めてのパネルディスカッションと質疑応答があり、Fineの発表については、司会の一人Giudice教授と聴衆の中のお一人から、今回のアンケート結果の出版の予定についてと患者の求める医療の在り方について質問がありました。
発表後も、数名の方から「発表のアンケートが興味深く規模の大きさも立派なものだ」と評価をいただきました。国は違っても不妊当事者が、クリニックや治療自体に感じる不満や要望には共通するものも多いので、「ぜひ国内外に向け発表をしてはどうか」とすすめていただきました。
英語での発表は準備も緊張度も大変でしたが、Fineにかかわる皆さんの協力で得られた情報を海外の医療従事者に伝えられたばかりでなく、関心を持っていただけたのはとても意義深くうれしいことでした。
(担当:ニカ/Fineスタッフ)