担当者の感想
日本アンドロロジー学会 第33回学術大会のモーニングセミナーで、講演をさせていただきました。
このアンドロロジー学会とは、男性学の研究者の皆さまが年に一度集う学術集会だそうで、内容は不妊症をはじめ、がん、発生学など多岐にわたります。不勉強ながら、私はこの「アンドロロジー」というのも初めて聞いた言葉だったのですが、ホームページによると「アンドロロジー学は臨床領域の男性学と基礎領域の雄性学が表裏一体となって発展してきたユニークな学術分野で、アンドロロジーが扱う領域は、その全てに臨床分野・基礎分野が対応し発展してきました。これらは、(1)男性不妊症:精子形成機構・受精機序・精子学、(2)ED:勃起のメカニズム、(3)LOH症候群:アンドロゲンの作用機序、(4)性分化異常:発生学・性分化の分子機序、(5)前立腺癌・前立腺肥大症:前立腺の増殖機構などであり、学際的な連携が重要であることがうかがえます」と記されています。(アンドロロジーは、男性ホルモンであるアンドロゲンに関する研究すべてを包括するものとしての男性科学だそうです)
私は、モーニングセミナーの「不妊治療を極める」というテーマで、患者代表として、アンケートから見えた近年の不妊治療の現場における当事者たちの現状、またそこから導き出された課題などについてお話をさせていただきました。不妊治療に関する学会以外での講演の経験は多くありませんので、少し緊張していましたが、不妊症に携わる医療者の皆さまも多数出席してくださっていて、ホッと安心して話すことができました。朝早くからのセミナーだというのに、予想以上の多くの方が参加してくださったのも印象的でした。
講演が終わってから、数名の方からご質問もいただくなど、皆さまが熱心に不妊症に関する話を聴いてくださったことに感激しました。不妊治療以外の医療分野の方々にも、不妊患者の実情を知っていただくことは大切なことなのかもしれない、と改めて実感した出来事でした。
今回この学会にお声掛けくださった、学術大会長の獨協医科大学越谷病院泌尿器科の岡田弘先生、ならびに座長をしてくださった川崎医科大学の永井敦先生には大変お世話になり、心から感謝しています。
(担当:松本亜樹子/Fineスタッフ)