「不妊当事者からのメッセージ」
施設の壁を越えて切磋琢磨するワークショップが圧巻!
開催日:2015年1月10日(日)~11日(月) (1日目:ワークショップ・学術大会/2日目:市民公開講座)
担当者の感想
日本臨床エンブリオロジスト学会の第20回記念の公開講座で、講演をさせていただきました。
エンブリオロジストとは、不妊治療において精子や卵子・受精卵・胚を取り扱う専門家のこと。一般的に胚培養士とも呼ばれます。こちらの学会は、「知識と技術の情報交流や研修を通じて不妊治療レベルアップを願い、自主的に1996年臨床エンブリオロジストの会を立ち上げました(ホームページより)」、そして、最初は20名程度の参加者が集い、自主勉強会のような形でスタート、それが今や全国に広がって、「エンブリオロジストのネットワークを通じて全国どこでも最新の技術で貢献できるようエンブリオロジストによるエンブリオロジストのための活動を続けています。(同上)」とのこと。
まさにそのとおり!と実感したのは、この学会のメインの「ワークショップ(1日目開催)」を見学させていただいた時です。会場ではたくさんのグループに分かれて、実際の胚培養の手技を実習していらっしゃいました。グループごとにテーマが、「顕微鏡」(初心者向け)、「ICSI(顕微授精)1」など決まっていて、それぞれの施設のトップクラスの方が講師役となり、普段はその施設の培養室でなければ見ることのできないその施設ならではの技術を、施設の隔たりなく、惜しげもなく教えていらっしゃいました。学ぶ方も教える方も、真剣そのものです。「みんなで技術を上げて、この業界をもっとよくしていこう」という皆さんの真摯な気持ちが伝わってきて、いち患者として、とても感動しました。
Fineではこちらの学会にご協力いただき、不妊当事者のためのスペシャリスト相談会を定期的に実施しています。普段はなかなか話すことのできないエンブリオロジストさんに、自分の治療のことを相談することができるというものです。皆さんお忙しい中、快く協力してくださり、熱心に相談に乗ってくださって、相談した患者さんたちから大好評をいただいています。
(http://j-fine.jp/activity/event/specialist.html)
私は(その翌日)2日目の市民公開講座で講演しました。不妊治療の日本の現状を踏まえて、医療施設でのコミュニケーションや、過去に実施したアンケートの回答から得られた、患者さんのエンブリオロジストさんに対する思いなどをお話しさせていただきました。講演後、何人ものエンブリオロジストさんが、話をしに来てくださり、普段のご自分の活動や、患者さんに対する思いなどをお話ししてくださり、感激しました。
普段は見ることのできない培養室の中でのお仕事の様子なども拝見でき、たくさんのエンブリオロジストさんの思いに触れて、とても良い経験をさせていただき、感謝しています。
(担当:松本亜樹子/Fineスタッフ)