「治療とうまく“おつきあい”する方法~ピア・カウンセラーからのメッセージ~」「女性のキャリアと不妊」
定期的に開催されている茨城県の「市民公開講座」と「不妊臨床懇話会」で、不妊を体験して感じたことなど講演をさせていただきました。
開催日:2014年12月7日(日)
担当者の感想
茨城県では、毎年「市民公開講座」と「不妊臨床懇話会」が年2回開催されています。
午前中に開催された「市民公開講座」の今回のテーマは「男性不妊と不育症」。一般の方向けに分かりやすく、そして気になる情報満載の講演会となっており、多くの方が参加されている催しです。
今回の「市民公開講座」で私がお話ししたテーマは、「治療とうまく“おつきあい”する方法~ピア・カウンセラーからのメッセージ~」。治療を体験した当事者として、そしてピア・カウンセラーとして、治療に向き合い、夫婦で考え、そして“おつきあい”していくコツを、不妊の心理や、必要な情報についてのポイントとからめながらお話しさせていただきました。治療を始めると、急な通院や、お金のこと、そして夫婦で時に共有しにくい治療への考え方等、予想していなかったさまざまな出来事に出会うことがあります。そんな中でも自分たちらしく、そして必要であればさまざまなサポートを利用しながら、治療生活を過ごしていっていただくための小さなコツをお伝えできていましたらうれしいです。
会場内には、多くの一般の方々の他、医療関係者の方も参加され、それぞれのお立場で不妊を捉えようとされているご様子が伺えました。カップルでのご参加もとても多く、二人でできることを一緒に考えてみようとされる温かい雰囲気が、私にまで伝わってきました。
午後からの「茨城県不妊臨床懇話会」では、医療者の方々の専門的な情報交換の後、「女性のキャリアと不妊」というテーマでお話しさせていただきました。最近特に、仕事と不妊治療の両立に関するテーマが取り上げられることが多くなってきました。私自身も治療と仕事の両立に悩み退職した経験があり、それを契機に不妊治療をしながら仕事を続けるためのサポートや、不妊当事者へのライフキャリアサポートを活動のテーマとしています。
「仕事」や「自分らしい生き方」と「不妊治療」のうち、何を優先させるのか思い悩む不妊当事者の姿は、時に外からは見えにくいことがあるかもしれません。不妊当事者の姿も本当に多様です。その人それぞれが、自分のライフプランや仕事の状況と相談しながら、自分に合った治療生活を過ごして欲しい、そのために、医療者などの方々による専門的なサポートと、私たち当事者団体の連携がこれからもますます大切になると思っています。
お声かけいただきました医療法人小塙医院・つくばARTクリニック 理事長 小塙 清先生を始め、ご準備に携わられた皆さまには大変お世話になりました。ありがとうございました。
(担当:中辻尚子/Fine公認ピア・カウンセラー)