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とちぎ不妊対策シンポジウム 「“知る”ことから始めませんか?不妊治療と仕事の両立」

「不妊治療と仕事の両立~その難しさと課題~」

「治療と仕事の両立のために」をテーマにしたパネルディスカッションにピア・カウンセラーとして参加しました。

主催:栃木県保健福祉部こども政策課

開催日:2015年1月11日(日)

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担当者の感想

とちぎ不妊対策シンポジウム「“知る”ことから始めませんか?
不妊治療と仕事の両立~社会も企業も応援しよう~」がパルティで開催されました。
不妊治療をしながら仕事を続けていくことには、度重なる通院等、さまざまな難しさがあります。これまでは、女性が妊娠出産・育児期も就労継続できるよう制度面の整備がされ、ワーク・ライフ・バランスが推進されつつあります。しかし、妊娠前の不妊治療中の人が不妊治療の負担を抱えながら仕事を続けられるような取り組みは、まだまだこれからという状況ですので、今回のシンポジウムは大変先駆的なものだと感じました。

シンポジウムは2つの基調講演、行政からの情報提供、パネルディスカッションの構成になっていました。
基調講演は、獨協医科大学産科婦人科学教室教授 北澤正文先生による「不妊治療の現状について理解しよう」、国際医療福祉大学病院リプロダクションセンター 男性不妊部門長 岩本晃明先生による「男性不妊について理解しよう」という題名で不妊治療に関する医学的なご講演がありました。
続いて、厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課 育児・介護休業推進室長補佐の重河真弓様より、2014年2月に作成されたリーフレット「従業員が希望する妊娠・出産を実現するために」を示されながら、働きながら不妊治療を行う従業員への理解を、事業者の方に、そして広く一般に知っていただくためのお話がありました。
その後、コーディネーターに、栃木県こども政策課長 小竹欣男様、パネリストに、北澤正文先生、花王株式会社人材開発部課長の座間美都子様、栃木県不妊専門相談員の藤川智子様、そして私の4名でパネルディスカッションが行なわれました。
パネルディスカッションでは、「なぜ不妊治療をしていると仕事との両立が難しいのか、退職にいたる背景の共有」、そして「行政機関、医療者、事業者、当事者がこれから何に取り組んでいくべきか」について話し合いましたが、さまざまな立場のパネリストの発言があり、課題の共有と今後の取り組みについて、中身の濃い意見交換になったように思います。

また、上記講演やパネルディスカッションが開催された会場のホワイエでは、私どもNPO法人Fineのブースの他、健康増進に関する企業ブースや、女性の心や体に関する相談、乳がん・子宮がんの予防やがん検診等の普及啓発ブースが設けられ、大変にぎやかな様子でした。Fineブースでは、私の他2名が団体の活動に関するご案内等を行ないました。
栃木県様では、以前より不妊に関する専門相談事業を、大変きめ細かく実施されていらっしゃいます。不妊当事者支援に関するコーナーを会場のエントランス付近に設置される等、当時者や一般の方への情報発信が工夫されていまして、うれしくなりました。来場者数についても、予定数より当日参加の方が大変多くいらっしゃり、150名以上の盛会となりました。これも、普段のきめ細やかな事業運営があるからこそではないでしょうか。

私自身も、治療との両立に悩みに悩み、慣れ親しんだ仕事を離れる決断をした経験があり、その経験から、現在は、不妊当事者への“ライフキャリア・サポート”をテーマに活動しています。
不妊治療時期は、職場での責任や加重が増える時期で、その一方、経験を積み、人生後半のキャリアにつながる重要な時期とも言える場合が多く見られます。職場の周囲の方との信頼関係を築きながら、なんとか通過点を乗り越えられるよう、職場での理解を深め、心理サポートやキャリアサポートの場を当事者に届けていくことを目標に、今後も活動していきたいと改めて心に期する機会となりました。

最後に、このような貴重な機会にお声かけいただきました、栃木県保健福祉部長名越様をはじめ、関係者の皆さまに、心から感謝申し上げます。今後も、さまざまなニーズをもつ不妊当事者の支援に、ぜひお力添えをいただけましたら幸いです。ありがとうございました。
(担当:中辻 尚子/Fine公認ピア・カウンセラー)


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Fine (2015年6月 1日)

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