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妊活応援フォーラム「夫婦で考える不妊治療」

パネルディスカッション「夫婦で考える不妊治療」

男性不妊専門医の先生の講演の後、ダイアモンド☆ユカイさんをスペシャルゲストとするパネルディスカッションがあり、不妊ピア・カウンセラーとして登壇しました。

主催:広島県 健康福祉局 子育て・少子化対策課

開催日:2015年9月26日(土)

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担当者の感想

広島県主催の妊活応援フォーラム「夫婦で考える不妊治療」におけるパネルディスカッションに、不妊ピア・カウンセラーとして参加しました。

不妊の原因は、WHO(世界保健機関)の発表によると、不妊原因が男性のみにある場合が24%、女性のみの場合が41%、男女ともにある場合が24%、不明が11%とのことです。男性に何らかの原因がある場合は半数近くだと言われています。しかしながら、治療開始の段階では夫の理解が得られず、まずは妻の側の検査からという状況がまだまだ多いようです。
今回のシンポジウムの第一部は、「男性も知っておきたい不妊治療の基礎知識」という題で、いぐち腎泌尿器クリニック 井口裕樹院長がご講演をされました。井口院長は数少ない男性不妊専門医のお立場から男性不妊の現状と治療についてお話しくださいました。
先生のクリニックで受診される男性の患者さんで、何らかの原因となる疾患が見つかった方のうち、三分の一はそのまま治療に入られ、三分の二は「少し考えます」「帰って妻に相談します」と帰宅され、そのうち半分は後日来院されるが、残りの半分は消えてしまうのですと話されていました。また、受診される方の中には、妻が現在どんな不妊治療を受けているのかその治療はどんな内容なのかわからない方も多いと話されていました。男性不妊でも、その後、高度生殖医療に進んだ際には女性側に負担がかかっていき、比重としては妻側の負担が大きいので、不妊治療の内容を男性も知っておき、妻へのいたわりの気持ちを持っていただきたいとおっしゃっていらしたのが印象的でした。

その後の第二部では、男性不妊当事者で現在は3人のお子さんがいらっしゃるダイアモンド☆ユカイさんをスペシャルゲストに、絹谷産婦人科の絹谷院長先生、井口先生、そして私の4名でパネルディスカッションを行ないました。男性不妊の体験をダイアモンド☆ユカイさん、私も自分の体験をそれぞれ10分ずつお話ししました。それから「夫婦間のコミュニケーション」、「患者と医師のコミュニケーション」ということで、それぞれの立場から発言しました。参加者からは事前に質問もいただいており、「治療中のストレス解消法」「治療終結のときの気持の区切り方」という2点について私の経験を交えお答えいたしました。終結の決断は、一人で決めるのは難しいけれど、夫婦で考え、それでも難しいときは、カウンセリング、県の相談窓口などサポート資源を有効に活用していただきたいとお伝えしました。

約200名の参加者のうち60名ほどが男性とお聞きしていたように、壇上から見ても男性が多いのが一目瞭然で、不妊のイベントもここまで男性が参加されるようになってきたのかと感慨深く思いました。また、このように不妊治療を夫婦で取り組もうと、少しずつでも行動してくださる方が増えていることを感じて嬉しく思いました。

最後に、このような貴重な機会にお声をかけていただきました、広島県健康福祉局働く女性・子育て支援部長 本廣様をはじめ、関係者の皆さまに心から感謝いたします。
広島県では今後、当事者の精神的ケアのための妊活セミナーと交流会、個別相談会を、県内各地で順次実施される予定です。Fineにも不妊ピア・カウンセラーとして再度お声がけいただいており、ありがたく思っています。
このように継続的に不妊当事者の支援にご尽力いただけますことを、不妊当事者の一人として嬉しく思っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(担当:堀田敬子/Fine 公認ピア・カウンセラー)

Fine (2015年11月16日)

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