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第30回茨城生殖臨床懇話会

「それでも妊娠しないときは」「当事者からのメッセージ」

市民公開講座では、不妊治療との向き合い方について体験談を交えてお話ししました。午後の不妊臨床懇話会では、当事者が抱えている負担や思い、社会的課題などについて体験談を交えながらご紹介しました。

共催:

開催日:2016年6月26日(日)

担当者の感想

茨城県産婦人科医会様では、毎年2回、一般の方が対象の「市民公開講座」と、医療関係者が対象の「茨城不妊臨床懇話会」を開催されています。毎回多くの方のご参加があるそうですが、今回の「市民公開講座」も日曜の早い時間にも関わらず、多くの方がお見えになっており、カップルでの参加も目立ちました。

今回の市民公開講座のテーマは「不妊症を考える~はやく気づいて!不妊症」。最初に、国際医療福祉大学 国際医療福祉大学病院 NPO法人リプロダクションセンター長 柳田薫先生から「簡単な不妊治療から高度生殖補助医療(体外受精)まで」と題してご講演がありました。不妊治療について専門的な言葉や内容、データをわかりやすい言葉に置き換えて、丁寧にご説明されていました。特に印象的だったのは、最近の研究で「卵子からある物質(匂いのあるもの)が出ていて精子が引き寄せられている。精子の頭に匂いを感じるレセプターがあることがわかった」というお話で、とてもびっくりしました。また最先端の研究の情報に加えて、高度生殖補助医療によって必ず授かるものではなく、現在の医療では対策が見つかっていない現状もあることを、誠実にお話しくださっていました。

次に私からは、「それでも妊娠しないときは」と題して、自身の働きながらの不妊治療体験を通して“仕事と治療の両立”“パートナーとの関わり方”、そして“当事者同士で気持ちを分かち合うことの大切さ”などについてお話しさせていただきました。
皆さま真剣にお聞きくださり、中には涙される方もいらっしゃいました。仕事と不妊治療の両立や職場への伝え方についてのご質問もいただき、当事者の心の負担となっていることを改めて感じました。

午後の不妊臨床懇話会では、8名の医療関係者の方々から最新医療についての情報交換会がありました。
私からは「当事者からのメッセージ」と題して、当事者の抱えている負担についてお話ししました。Fineが実施しているおしゃべり会で聞かれる当事者からの声や、カウンセリングの重要性と相談件数の推移など、自身の体験談やアンケート調査、データを交えてご紹介しました。

私は今回、午後の医療関係者が集まる不妊臨床懇話会に初めて参加させていただきましたが、不妊治療に携わるたくさんの関係者の皆さまが、熱心に真剣に最新の医療情報や臨床結果に耳を傾けられている姿を拝見し、不妊治療はこのような志の高い皆さんに支えられているのだなと感じました。
そして、Fineの活動やカウンセリング、カウンセラーの養成事業に興味を持ってくださった医療関係者の方も多く、大変嬉しい言葉も頂戴しました。今後の活動の糧としてがんばっていきたいと思います。

石渡産婦人科病院院長 石渡勇先生、東京歯科大学市川総合病院 リプロダクションセンター長教授 吉田丈児先生、座長の福地レディースクリニック 院長 福地秀行先生をはじめ、ご準備や開催に携わられた皆さま、ご参加の皆さまに深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
(担当:野曽原 /Fine スタッフ)

Fine (2016年10月24日)

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