仕事と不妊治療の両立について
栃木県様では、以前より不妊治療と仕事の両立に関する事業を実施されています。今年度は、従業員の健康改善に関する職務を行なうとちぎ産業看護研究会様との共催で研修会を実施されました。
開催日:2016年8月6日(土)
担当者の感想
従業員が不妊治療と仕事の両立に悩んだ時に助けとなるのは、企業内での不妊治療への理解の促進や、両立していけるための環境づくりです。これを実現するためには、環境づくりを推進していく担当者がまずこの課題を理解し、必要な知識を得ることが必要となります。そこで栃木県様では、今年度、職場の健康管理の専門職が所属するとちぎ産業看護研究会様に働きかけ、今回の研修を共催で実施されることになりました。
企業内の担当者にこのテーマについて関心をもっていただくことがまだまだ難しい日本の現状の中、このような形での研修会の実施は大変興味深いことです。また参加者の皆さまは情報を必要とされる方ですので講演の内容が届きやすいのではないかと思います。
講演の内容は、不妊治療中の社員が抱える課題は何か、必要な支援はどういったものか、を共有していただくことをゴールとし、まず不妊や不妊治療について当事者がどのような課題を抱えているのかについて大枠をお話ししました。その後、仕事との両立に直面した際に当事者が感じる困難について、Fineが実施した調査結果のデータや映像を用いて、具体的にイメージしていただけるようお話しさせていただきました。
質疑応答では、実際に治療中の部下をもつ管理職の方からのご質問もありました。参加者の皆さまが職場に帰られてから、それぞれの役割の中で、当事者支援についてできることを考えていただける一助となりましたら大変うれしいです。
本セミナーでは、講演の後、栃木県こども政策課のご担当者様より、不妊治療に係る助成制度と相談窓口についてのご説明もありました。治療をしていると、このような社会制度についての情報がすぐ必要となります。当事者の支援に関わる方々にも情報が届くことがとても重要ですので、大変有意義な時間となったのではないでしょうか。それはご参加者のアンケートからも伺えました。
最後になりましたが、このたびも栃木県保健福祉部こども政策課のご担当者の皆さまには、貴重な機会にお声かけいただき、また準備の段階でも大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。
(担当:中辻尚子/Fine公認ピア・カウンセラー)
■今回の講演内容についてご意見、ご感想(抜粋)
・勉強不足で大変失礼なのですが、ここまで大きな負担があるとは思ってもみなかったです。参加してよかったです。
・自分が知らなかった内容も多くとても勉強になりました。不妊治療を受けている方、受けようとしている方に対するサポート、個人として会社として何ができるか考えていきたいと思います。
・初めて不妊治療の講演、講話を聞きました。TV等では知識として勉強する事はあっても、当事者の話は、具体的(事実、率直な意見)でわかりやすいと思います。
・不妊治療を受ける方が増えていることを体験として感じる。精神的なストレスがどれほどのものか、よく理解できた。
・不妊治療についての講演は初めてだったが、とてもわかりやすかった。
■今回の講義を受けて、あなたの中で変化はありましたか?(抜粋)
・現状(心理負担、経済負担)を理解できました。職場の中で少しでも負担感をサポートできるよう考えていきたいと思います。
・不妊治療を受けている方の精神的な負担を知ることができ、お話しする時、考えて話せるのではないかと思う。
・お金がかかるとか、通院や注射があるとか、不安・ストレスが色々あることを初めて知ることが多く、すごく学びました。
・気づき、声かけが大事だと改めて思いました。
■次回はどのようなものを望みますか (抜粋)
・男性にも(当事者以外の人でも)不妊を知ってもらうようなセミナーが増えるといいなと思いました。
・最新の治療方法。(治療者との話題になった時、治療を知らない・・・となると、相談にならないから)毎年、治療は進歩していくと思うので。
【今回の講義内容についての5段階評価】