不妊治療を通して経験したこと…そして今伝えたいこと
不妊治療で体験した流産、死産、やめ時~夫婦二人の人生の選択…次々と決断を迫られた体験と「不妊経験後の今の私」の生きざまをお伝えすることで、現在不妊に向き合っている方々にとって、前へ進むきっかけになれていたら幸いです。
開催日:2016年12月4日(日)
担当者の感想
茨城県産婦人科医会様では毎年2回、一般の方が対象の「市民公開講座」と、医療関係者が対象の「生殖臨床懇話会」を開催されています。
午前中の「市民公開講座」では、最初に私の体験談「不妊治療を通して経験したこと…そして今伝えたいこと」を発表しました。流産や死産後の孤独感、治療のやめ時~夫婦二人の人生を選択するに至るまでに触れ、そして、子どもをあきらめても人生を自分らしく幸せに生きていけることをお伝えさせていただきました。
次は、黒田インターナショナルメディカルリプロダクション院長 黒田優佳子先生のご講演「精子側からみた顕微授精の適応と限界」でした。次世代の不妊治療への改革として、高品質精子の選別法の開発、評価法の確立をされた「黒田メソッド」と、「ポストICSI=人工卵管」のお話は興味深いものでした。徹底的な品質管理の下、穿刺しても安全な精子を選別するという何よりも生まれてくる子供の安全を第一に考えられた治療法は、今後多くの期待が寄せられるのではないかと感じました。
最後は、木場公園クリニック木場クリニック分院理事長 吉田淳先生のご講演「不妊治療の最前線」でした。患者が妊活の体づくりもできるようにトレーニングジムも併設されるなど最先端のクリニックのご紹介から、患者一人ひとりの状態に合わせて行う治療方針など、患者のためを思う先生の不妊治療に対する熱い情熱を感じました。
講演につづき、3名の演者への質疑応答の時間も設けていただき、参加者からは活発なご意見やご質問をいただきました。お二人の先生方は当事者からの切実な質問にも親身に寄り添い、温かいアドバイスをされていらっしゃいました。
終了後には、当事者として体験談発表をした私に、参加者のうち数名の方が個別にお声を掛けてくださり、ご自身の治療中の苦労やつらいお気持ちなどをお話ししてくださいました。短時間でしたが、当事者の方の生の声を聴かせていただいたことで、ピア・カウンセラーとしての自分自身の役割をあらためて実感いたしました。
午後の「生殖臨床懇話会」では、6名の不妊専門医療者の方々からの多方面から見た最新の医療情報交換がありました。
私からは、体験談に続き、日ごろのピアカウンセリングにおける相談ケースの具体例や、ピア・カウンセラーならではの「傾聴」の大切さなどについてお話しさせていただきました。
不妊専門医療者の研究発表の中に、当事者が発言できる機会を与えてくださいましたことに深く感謝いたします。お声かけくださった小塙医院理事長 小塙清先生はじめ、ご準備に関わられた皆さま、ご参加くださいました皆さまに心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
(担当:寺島 薫/Fine公認ピア・カウンセラー)