担当者の感想
堺市子ども育成課主催の「不妊症・不育症で悩まれる方の交流会」で進行役を務めさせていただきました。
今回は、初対面のみなさんが安心してお話しできるように、最初に場を和ませるワークを取り入れてみました。アニマル・クロッシングといって今の自分を動物にたとえてもらうものです。動物が頭に浮かんだところで二人一組になり、それを発表してもらいました。自分が今どのような状態かを知ることができると同時に、相手を知るきっかけにもなります。「水に隠れて目だけ出しているカバ」や「のんびりしているヒョウ」のように思いがけない答えが出てきて、笑いがでながらも聴いていくと「あ~、わかるわ~」という共感につながり、良い感じで場がほぐれていきました。
その後、全員で円になって交流会をスタートしました。テーマを特に設けずに参加された方が話したいことを話していくという形で、まずは自己紹介をしました。同じ不妊治療中の方でも、始めて間もない方やステップアップを考えている方、治療は長くなっているけどがんばっている方など、治療段階はそれぞれ違っていましたが、お一人おひとりの体験にみなさんがじっくりと耳を傾け、共感が深まっていくように感じました。周囲の方との人間関係や付き合い方に悩んでいる方に、他の方がご自身の体験や決めていることなどを披露すると、「参考になる」「それいいですね」と反応がありました。つらい体験を振り返ると涙ぐむ方もいましたが、参加者同士でわかり合い、励まし合ううちに、やがて笑顔があふれ、時には大爆笑も起こりました。「緊張しましたが、来てよかったです」という言葉にみなさん大きくうなずいていらっしゃいました。
堺市子ども育成課では、不妊症・不育症でお悩みの方に対して、交流会、個別相談、講演会など、幅広い取り組みを続けてくださっています。行政が場を作り、支援を続けてくださることは、孤立しがちな当事者にとってはとてもありがたいことだと感じています。今回もとても豊かな時間をご一緒させていただき感謝いたします。
(担当:堀田敬子/Fine公認ピア・カウンセラー)