活動を知る

不妊に関する市民公開講座/第34回茨城生殖医学懇話会

終結を選択した私らしい妊活

沈んだ気持ちで長い不妊という時期を過ごしてきましたが、現実的・客観的に自分と向き合えるようになってから前向きになり、不妊終結後は不妊ピア・カウンセラーとして活動している現在までの体験談をお話ししました。

開催日:2018年7月1日(日)

担当者の感想

茨城県で年に2回開催されている『不妊に関する市民公開講座』と『第34回茨城生殖医学懇話会』に登壇させていただきました。

午前開催の市民公開講座は『男性不妊と不育を考える』というテーマでした。最初に、杉ウイメンズクリニック不育症研究所の杉 俊隆先生から『不育症の診断と治療』、筑波大学医学医療系 腎泌尿器外科学分野教授の西山 博之先生から『不妊治療における男性不妊外来の役割』のご講演がありました。流産や男性不妊の確率や原因など大変わかりやすくご説明をいただき、自分の体験とリンクするところもあったので興味深く拝聴しました。不育症の正しいスクリーニングによって治療が必要ないケースがあることや、婦人科と泌尿器科の連携が進み男性不妊の的確な治療を早期に行なえるケースが増えているというお話には、できるだけ早い段階で専門医に診ていただくことの重要性を感じました。

次に私から『終結を選択した私らしい妊活』と題して、私の不妊体験談とピア・カウンセラー養成講座の受講から現在までの気持ちの変化についてお話しさせていただきました。参加の皆さまは大変熱心にお聴きになっていたようで、中には涙を流されている方もおられ、私とは年代は違っていても不妊に通じる共通の思いは変わらないということを痛感しました。

午後開催の生殖医学懇話会は、医療に携わるプロの方々のための講演会でした。5名の先生方のご講演は専門的かつ最新の医療情報であり、私にとっては普段聴くことのできないご研究や生殖現場のお話を伺わせていただく貴重な機会となりました。その中でも、がんと生殖医療をテーマにしたお話では、若年のがん患者の方に及ぶ不妊はさらに深刻な問題であることにあらためて気づかされ、ピア・カウンセラーとしても不妊の領域の広さを心得ておかなければならないと身の引き締まる思いがしました。ご講演くださった先生方の専門はそれぞれ違っていても、子どもを授かりたいという希望を叶えるために日々研究や医療に従事されているお姿に感銘を受けました。

続いての私の講演は、午前とほぼ同じ内容でお話をさせていただきました。医療従事者、コメディカルの皆さまに対して、不妊経験者という立場で体験談をお話しすることにはおこがましさを感じていましたが、熱心に耳を傾けていただけたことに感激いたしました。講演後にご質問いただいた内容には不妊当事者の気持ちに寄り添っていただいている温かさを感じ、うれしくありがたい気持ちでいっぱいになりました。このような会に参加させていただき、関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。
(担当:今井万里子/Fine公認ピア・カウンセラー)

Fine (2018年7月26日)

ページの先頭へ