不妊体験談と不妊当事者の心理
不妊症相談に関わっている方々を対象に行なわれる研修会で、不妊当事者が抱えている負担や気持ちについてお話ししました
開催日:2019年8月7日(水)
担当者の感想
千葉県健康福祉部児童家庭課様では、県内の不妊症相談に関わる保健師や特定不妊治療費助成事業担当者、市町村母子保健担当者などの方々を対象に、毎年「不妊相談従事者研修会」を開催されています。
研修会では二つの講演がありました。
まず一つ目は私から「不妊体験談と不妊当事者の心理」と題して、妊活のきっかけから終結までの経緯と気持ちの変化についての体験談と、Fineが実施したアンケートの結果や不妊ピア・カウンセラーの活動を紹介しました。不妊治療中の周囲との関係性、仕事と治療の両立の難しさ、子どもを授かった後も不妊を体験したことが心に影響していること、治療の終結を選択することの難しさなどをお伝えしました。
続いて二つ目は亀田IVFクリニック幕張院長 川井清考先生から「不妊治療の基礎知識と最新情報」と題して、ご講演がありました。日々進化している不妊治療は、2年毎に更新されているそうです。例えば10年程前の不妊治療のスタートは女性から検査をして不妊原因を調べていましたが、5年程前から男性側にも原因が多いことがわかってきたため、今では男女同時に検査することを推奨するように変わってきています。このように一昔前の常識がそうではなくなることがあるとのことでした。また、自分のクリニックで働く人が不妊治療をするときに、ここで治療を受けたいと思うようなクリニックを目指して、生殖補助医療、患者、生殖細胞にていねいに向き合うことを大切にされているとおっしゃっていました。このようなお言葉は患者にとって、とても心強く感じました。
ご参加の方々は資料に目を通しながら真剣にメモを取るなど、とても熱心に聴かれているご様子でした。終了後には個別にお声掛けいただき、ご質問も多くいただきました。不妊に悩む人をサポートするために真摯に取り組んでくださっていることが伝わり、大変ありがたく感じました。
千葉県健康福祉部児童家庭課の皆さまには、このような貴重な機会をいただき感謝申し上げます。準備段階から当日まで大変お世話になりました。ありがとうございました。
(担当:わたなべまさよ/Fine 公認ピア・カウンセラー)