活動を知る

第17回日本生殖看護学会学術集会

不妊治療を経て、我が子に出会い、いま思うこと

不妊を専門としている看護職の方に向けて、Fineの活動紹介と不妊体験談をお話しさせていただきました。

主催:日本生殖看護学会

開催日:2019年9月15日(日)

20190915.jpg

担当者の感想

日本生殖看護学会主催の学術集会におけるシンポジウム「不妊治療後の妊娠・出産・育児を支える」の中で、不妊体験談発表をさせていただきました。この会には予想を遥かに上回る参加申込があったそうで、身の引き締まる思いがしたと同時に、それだけこの分野において関心が多く寄せられていることに大変励まされました。

近年、生殖医療が飛躍的に進化し、不妊治療でお子さんを授かるカップルも増えている中、不妊の多様性に伴い、看護師の方からは「不妊の患者さんにどう接してよいのかわからない」という、とまどいの声が多く挙がっているそうです。その背景には、一口に不妊と言っても、タイミング法から高度生殖医療まで治療方法の選択も人それぞれですし、一方で積極的に治療を受けていなくても本人が「不妊である」と語るケースがあったり、同じような治療を受けている/受けたカップルでも、治療の経験や治療後の妊娠の受けとめ方は、人によって千差万別だからです。そのような医療現場のニーズを踏まえ、私からは自身の不妊体験がその後の妊娠、出産、育児にどのように繋がっていったのか、不妊治療を卒業した今、その経験をどのように感じ捉えているのか、当事者の視点からお話ししました。

看護職の方は「普段なかなか当事者の本音や、経験を振り返って聞く機会が少ない」とのことで、私の体験談に熱心に耳を傾けてくださいました。私の不妊経験は、多くの不妊当事者のほんの一例に過ぎませんが、当事者の心の声に興味や関心を寄せてくださったことに自分が当時感じていたつらい思いもムダではなかったのだとあらためて感じることができました。

その後、他のパネリストの方々との意見交換の中で、「妊娠、出産が不妊のゴールではなく、不妊経験を含めた妊娠、出産、その後の育児へと続く包括的なサポートが大切」という意見が異口同音にあがり、今後Fineの活動の中でも、私がその一翼を担っていきたいと思いました。

このような不妊を専門としている看護職の方に当事者の声を届ける機会をくださったことに心から感謝いたします。本学術集会で会長を務められた坂上明子先生、ならびに事務局スタッフの方、関係者の皆さまには、あらためてお礼申し上げます。
(担当:福井 良子/Fine公認ピア・カウンセラー)

Fine (2019年10月 4日)

ページの先頭へ