活動を知る

不妊に関する市民公開講座/第38・39回茨城生殖医学懇話会(web開催)

当事者から見た不妊治療の現状と課題

当事者から見た不妊治療の現状や課題について、不妊治療の4つの負担をもとに、Fineで実施したアンケートや最近のトピックスを踏まえてお話ししました

開催日:2020年12月20日(日)

202012201.jpg

担当者の感想

茨城県では毎年2回、午前に「市民公開講座」、午後に「茨城生殖医学懇話会」が開催されています。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、年1回の開催となり、市民公開講座と第38回・第39回茨城生殖医学懇話会が合同で開催されました。また、初めてWEBでの実施となりましたが、142名の方がご参加になりました。
今回のテーマは「不妊と遺伝学的検査」で、前半の市民公開講座は私を含めて3つの講演がありました。
まず初めに、昭和大学産婦人科教授の関沢明彦先生より、「出生前遺伝学的検査のあり方について」のご講演がありました。母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(NIPT)についてのご説明があり、検査の概要と倫理的課題についてのお話をいただきました。出生前検査については、さまざまな議論があり、また検査後の選択も人それぞれです。この分野に関しては以前から関心があったのですが、あらためてその有効性と課題について知ることができ、大変有益でした。
続いて、ゲノムクリニック代表、千葉大学学術研究イノベーション推進機構URAの曽根原弘樹先生より「着床前診断、最新の遺伝子解析(COVID-19 からヒトの解析まで)」のご講演がありました。着床前スクリーニング検査として行なわれる培養液を用いた胚の染色体異数性検査(染色体の数の異常を調べる検査)について、そして新型コロナウイルス(COVID-19)についてのお話をいただきました。最近のトピックスも含めた研究に関するお話を伺うことができ、勉強になりました。
最後に私から「当事者から見た不妊治療の現状と課題」として、不妊治療の4つの負担をもとに、Fineで実施した病院選びのポイントアンケート2020や仕事と治療の両立についてのアンケートPart2の結果をご紹介しながら不妊の現状をお伝えしました。また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う当事者の不安や想い、不妊治療の保険適用に関する動きについてお話をしました。
Web開催であり、参加者のお顔が見えない中での講演でしたが、参加された医療従事者の方から、「当事者の想いやアンケート結果を知ることができ、大変勉強になった、今後の診療にいかせる」などとおっしゃっていただき、ありがたく思うとともに、医療従事者の方に当事者の治療に関する想いや考え、要望などをお伝えしていくことの重要性をあらためて感じました。
後半の茨城生殖医学懇話会は、医療に携わる専門家の方々のための講演会でした。4名の先生方のご講演が行なわれ、茨城県のがん生殖医療の現状と今後についてのお話や、産婦人科領域におけるCOVID-19 についてなど、私が日常では聞くことができない専門的かつ最新の医療情報が含まれた内容でした。
茨城県産婦人科医会様をはじめ、関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。総合ディレクターをされていた医療法人小塙医院 理事の小塙理人先生には、準備段階から当日まで大変お世話になり、ありがとうございました。一般市民の方や医療従事者向けに、このような講演会を毎年実施されていることに感銘を受けるとともに、この会に演者として参加できたことを大変光栄に思います。
(担当:永池 明日香/Fineスタッフ)

202012202.jpg
Fine (2021年1月13日)

ページの先頭へ