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不妊に関する市民公開講座WEB開催

胚移植反復不成功における患者の心境の変化

不妊治療の4つ(身体的、精神的、経済的、時間的)の負担と着床不全を経験した患者の体験、心の変化を中心に治療の終結までの葛藤をお話ししました。

開催日:2021年9月19日(土)

担当者の感想

茨城県では、毎年「不妊に関する市民公開講座」を開催されていますが、今回はWEB方式での開催となり約100名の方がご参加になりました。
今回のテーマは「着床不全」です。まずはオープニングとして、茨城県より不妊治療の助成事業についての説明があり、それに続いて私を含め3つの講演がありました。
最初の講演は、順天堂大学大学院医学研究科産婦人科学の田中佑佳先生による「慢性子宮内膜炎とそれに関わる検査の基本」でした。不妊治療についての基礎的な説明にはじまり、子宮内膜炎に関する専門的な内容までを臨床現場での実情を交えてお話しくださいました。とても具体的で大変興味深い内容でした。
2番目の講演は、医療法人小塙医院の小塙理人先生による「着床の窓って何?着床時期を意識したオーダーメイドな胚移植について」でした。こちらも専門的な難しい内容でしたが、動画や図などを用いたとても分かりやすい説明でしたので理解しやすく、最新の情報を聞いてとても勉強になりました。
3番目の講演は、私から「胚移植反復不成功における患者の心境の変化」と題して、不妊治療に伴う4つ(身体的、精神的、経済的、時間的)の負担をはじめ、治療を繰り返し受けることによるさまざまな影響や、治療の終結に至るまでの経験をお話しさせていただきました。画面越しに、参加者の皆さんの顔が見えない中での講演には少し戸惑いもありましたが、皆さんに受け止めていただけたようです。
講演に引き続き、質疑応答がありました。総合司会を務められた石渡産婦人科病院院長の石渡勇先生をはじめ画面上に演者が全員揃い、参加者の皆さんから届いた質問に答えました。石渡先生より妊娠を望まれるすべての方へ子宮頸がん等の検査の大切さのご発言があったり、参加者からはコロナワクチンと不妊治療についての質問があったり、講演に関することはもちろんですが、それだけにとどまらず活発に意見が交わされ、不妊治療に関心が高い方々が参加されていることがわかりました。また、茨城県からは、不妊専門相談センターを水戸、土浦に開設し、対面はもちろんメールなどでの相談も随時受けていますというアナウンスもありました。このように身近に相談できる場所があることは、不妊に悩む患者にとって心強いものです。

最後に、茨城県産婦人科医会をはじめ関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。また、総合ディレクターをされた小塙理人先生には、準備段階からリハーサルを含め当日まで大変お世話になり、ありがとうございました。「不妊に関する市民公開講座」をこのコロナ禍においても実施されていることに感銘を受けるとともに、この会に演者として参加できたことを大変光栄に思います。
(担当:小宮町子/Fineスタッフ)

Fine (2021年10月21日)

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