活動を知る

聖路加国際大学 認定看護師教育課程(不妊症看護コース) 「生殖医療と社会」

「自助グループ活動の国内外の動向」

「看護師の関わりが、その患者のその後の人生に多大な影響を及ぼす可能性があるということを知ることができました。」(受講生の感想より)

主催:認定看護師教育課程 - 聖路加国際大学 教育センター

開催日:2017年9月30日(土)

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担当者の感想

今年度も不妊症看護認定看護師の教育課程の授業にお声掛けいただき、認定看護師さんの授業で講義をさせていただきました。
認定看護師というのは、日本看護協会が定める「認定資格」(*1)に合格された看護師のことです。

今年も、この不妊症看護認定看護師を目指す皆さんが全国からお集まりになり、当日講義にうかがった私を温かく優しい雰囲気で迎えてくださいました。
私の講義内容は「自助グループ活動の国内外の動向」です。毎年、海外については、Fineと海外の不妊患者団体との交流やこれまでの活動をお話しし、国内については、Fineの活動から、主に実施したアンケート結果をもとに、当事者の生の声をお伝えするようにしています。今年は直近でとったアンケート「仕事と不妊治療の両立に関するアンケート Part 2」の結果がまだまとまっていなかったので、途中経過をご報告するとともに、当事者の現状をお伝えしました。そして話の最後には私が一番伝えたいと思っていることをお話しし、患者にとっての本当の治療のゴールとHappyを考えていただけるようにお伝えしています。今年はその中でも「不妊治療の主役は誰だと思いますか?」という問いに、皆さんが真剣に考えてくださり、そのことが印象に残ったとアンケートに書いてくださる方が多かったことを嬉しく思いました。
これは私の考えですが、不妊治療の本当の当事者・主役は「生まれてくる子ども」だと思っています。だから、万が一にも生まれてくる子どもが幸せになれないのなら、その治療はするべきではないと。その人の幸せを決めるのは本人でしかないので、生まれてきた子どもが「いい人生だった」と思って死ぬ瞬間に、その治療は本当に意義があったと言えるのではないか、と以前から考えているのです。
この考えは多くの方には賛成されにくいので、他ではお話ししないことも多いのですが、この講義の時には、安心してお話しできます。期待通りに皆さんがご理解くださるのを拝見すると、やっぱり不妊症看護認定看護師さんは素敵だなと、とても嬉しく思いました。
皆さんが来年の試験に合格され、全国で多くの患者と触れ合ってくださり、患者の支えとなってくださることを願っています。
(担当:松本亜樹子/Fineスタッフ)


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(*1)認定看護師制度とは1987年(昭和62年)4月 厚生省「看護制度検討会報告書(21世紀に向けての看護制度のあり方)」において、専門看護婦、看護管理者の育成が提言されたことを契機としています。日本看護協会はこの提言を受け1987年に委員会を設置し、資格認定制度の創設について検討を開始しました。制度のあり方として、看護界全体の総意を反映したものであること、看護界内外に納得される公正なものであることが重要であると考え、本会に一本化した制度になりました。
資格認定制度は制度別に、制度委員会、認定委員会、認定実行委員会を設置して運営しています。
1994年に専門看護師制度、1995年に認定看護師制度、1998年に認定看護管理者制度が発足しました。
※「専門看護師」「認定看護師」「認定看護管理者」の3つの名称は日本看護協会の登録商標です。
  (日本看護協会のHPより抜粋引用)



■受講者の感想(アンケートより抜粋)

・実際に治療を受けた人たちの声が聴けて、とても貴重な時間でした。私自身、NICU、小児科も経験しているため「子どもが主役」という考え方は、とても心に響きました。生殖医療のその先も考えられるようになりたいです。
・いつも貴重なお話を聴くことができてありがとうございました。治療中、治療後の方々への支援について、考えることができます。
・当事者のさまざまな話を聴き、その人たちが必要としているサポートが行えるように援助していきたいと思いました。
・妊娠することがHappyなのではなく、その人が本当に希望している思いを叶えるように話を聴いて、援助してみたいと思いました。
・自助グループの活動内容がわかり、とても良い活動であると感じました。
・生殖医療の主役は「生まれてくる子ども」私になかった視点。考えさせられます。
・Fineの活動を通して、自分自身の不妊症看護認定看護師の在り方を考えたいと感じました。患者にもっともっとFineのことを知ってもらえるように働きかけをして行きたいと思います。


【今回の講義内容についての5段階評価】
今回の講義内容についての5段階評価
■これまでの関連レポート

http://blog.livedoor.jp/npofine/archives/65030323.html (旧スタッフブログ)
http://j-fine.jp/activity/article/2010/07/post-1.html
http://j-fine.jp/activity/article/2012/09/post-20.html
http://j-fine.jp/activity/article/2014/02/post-22.html
http://j-fine.jp/activity/article/2015/03/seiroka201503.html
http://j-fine.jp/activity/article/2016/04/seiroka201601.html

Fine (2017年11月 8日)

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